「タンクから便器に水が流れない」「便器の水が流れていかない」など、トイレの水が流れない原因と対処方法を解説します。排泄物が流れないときの応急処置、業者を呼んだほうがよいケース、トイレの水が流れないときのNG行為とあわせて参考にしてください。
この記事の監修
水廻りサポートセンター(株式会社レクト)
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目次
トイレの水が流れないときはまず応急処置とその後の対処方法
まずは、トイレの水が流れず排泄物が残ってしまったときの応急処置と、そのあとに確認することから解説します。
バケツを使って水を流す
バケツに5〜6Lほどの水を溜めて、水跳ねに注意しながら一気に流します。排泄物が排水管に停滞するのを防ぐため、さらに3〜4Lの水を流します。トイレを2〜3回使用するごとに、バケツ2杯(10〜12L程度)の水を流すと、排泄物の停滞予防になります。トイレの水が流れないときは、まずはこの方法で応急処置をしてください。
参考:停電・断水の時、どのようにして汚物を流したらよいですか?_TOTO株式会社
水は出るか?
応急処置をしたら、水が出ない原因を探していきます。断水中ではないか、水道の元栓やトイレの止水栓が閉まっていないか、水道管が凍結していないかなどを確認してください。マンションなど集合住宅の場合は、給水タンクからの給水が止まっていないかも確認しましょう。
電気はきているか?
同じく、電気がきているかどうかも確認します。電気がきていないとリモコン操作で水が流れなかったり、タンクレストイレの水が流れなかったりするためです。停電していないか、ブレーカーが落ちていないか、電源プラグが外れていないか、漏電遮断機が作動していないかなどを確認します。
電源プラグの「切」ランプが点灯している場合や、本体表示部の「運転」ランプが消灯している場合などは、取扱説明書に書かれている対処方法を試してみてください。
トイレの水が流れる仕組みとは?
- レバーを回すと、タンク内でつながっている鎖が引っ張られます。同時に、鎖の先端に付いているフロートバルブも持ち上げられます。
- フロートバルブが持ち上がったことで、タンク底部の排水弁が開き、便器内に水が流れていきます。
- 水が流れると、タンク内の水位が下がります。それと同時にボールタップと呼ばれるパーツの先端に付いた、浮き玉も下がります。
- 浮き玉がある位置まで下がると、ボールタップ側の止水弁が開き、給水管から手洗い管への給水が開始されます。
- 手洗い管から流れた水(タンク上部の手洗いから出た水)は、タンクのふたの排水口からタンク内へ貯まっていきます。
- タンク内の水位が増えるに連れて浮き玉も上昇し、一定の位置まで上がったところでボールタップの止水弁が閉じて、タンク内への給水がストップします。
- タンク内への給水中、フロートバルブは徐々に元の位置へ戻っていき、それにともなってレバーも回す前の位置まで戻ります。
トイレの水が流れるのはこのような仕組みによるもので、タンクの中では毎回このようなことが繰り返されています。水が流れないときは、レバーやフロートバルブなどタンク内のパーツに何らかの原因がある可能性も考えられます。
トイレの水が流れない原因と対処方法
タンクから便器に水が流れないのか、便器の水が流れていかないのかによって、原因と対処方法が変わってきます。
レバーが空回りして水が流れないとき
レバーは、タンクの中で鎖とフロートバルブ(ゴム栓のようなパーツ)とつながっています。そのレバーが空回りして便器に水が流れないときは、レバーの軸が故障しているか、鎖が切れたか、あるいは鎖とフロートバルブが外れたなどが考えられます。
対処方法|レバーを交換する
レバー・鎖・フロートバルブのいずれかが単純に外れただけなら、取り付ければ水が流れるはずです。しかし破損している場合などは新品に交換する必要があります。レバーが空回りしてしまう原因・自分でできる対処方法はこちらの記事で詳しく説明しています。 関連記事 トイレのレバーが戻らない!空回り!原因と自分で直す方法を解説
レバーの交換は慣れていないと難しい作業なので、不安な方は無理をせず最初から業者を呼んでください。
タンクに水がなくて流せないとき
タンクに水が貯まっておらず、レバーを回しても水が流れない場合はいくつか原因が考えられます。まずは断水ですが、終わるまで待つしかないのでバケツで水を流しましょう。
次に、タンク内で浮き玉が異物に引っかかってしまったケース。節水目的で入れたペットボトルなどに浮き玉が引っかかると、タンクの水位が下がっても浮き玉が下がらず、給水されなくなります。タンクを覗いてみて、引っかかっていれば取り外しましょう。ペットボトルを入れておくのもおすすめしません。
そのほか、止水栓または元栓が閉まっている可能性も考えられます。
対処方法|止水栓や元栓を開く
止水栓はトイレの壁や床の給水管の近くに取り付けられています。何らかの原因で閉まっている場合は、マイナスドライバーなどで左へ回して開きましょう。止水栓の開きが足りないと、タンクに水が貯まるまでに時間がかかる場合があるため、様子を見ながら適切な位置まで開くようにしてください。
一方、元栓は水道メーターの近くに設置されています。戸建てなら敷地内の地面、マンションなどの集合住宅なら玄関近くの鉄扉の中、もしくは駐輪場など敷地内の地面に設置されています。確認してみて、閉まっていたら開きましょう。タンクに水が貯まれば正常です。
便器内に水が溜まって(溢れそうになって)流れないとき
タンクからの水は出るものの、便器に溜まる一方で流れないという場合は、トイレつまりが発生しているかもしれません。トイレつまりの原因はさまざまですが、トイレットペーパーなど水に溶ける・流せるものであれば自分で直せる可能性が高いでしょう。
対処方法|トイレつまりを解消する
トイレつまりを解消するにはラバーカップ(すっぽん)や真空式パイプクリーナーなどの道具を使います。正しい使い方・注意点・直せないケースなどについては以下の記事で詳しくお伝えしています。 関連記事 トイレつまりの14の原因!原因不明の場合の対処法は?
また、便器の水の流れが悪いときに考えられる原因と対処方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。 関連記事 ゴボゴボの異音など。トイレの流れが悪い原因と対処法
タンクレストイレで水が流れないとき
タンクレストイレは、タンクに水を貯めるのではなく水道管の水圧で直接便器を洗浄します。またレバーが付いていないため、便器への注水や止水は電気(電磁弁)で制御しています。そのため、水が流れないときは内部パーツの故障もしくは、単純に断水していることなどが考えられます。
なお、高台の戸建てやマンションの高層階など、水圧が不足しているご家庭も十分に水が流れないことがあります。こちらは低水圧対応のタンクレストイレにするなど、また別の対策が必要になります。
対処方法|電子部品を修理する
工事や点検などにともなう断水であれば、終わるまで待つことで水が流れます。しかし電子部品が故障した場合は、修理・交換が必要になります。対処方法については「タンクレストイレの電子部品の故障・水圧の低さに原因がある場合」をご確認ください。
タンクの手洗い管から水が流れないとき
タンクの手洗い管から水が流れない場合、上述したタンク内で浮き玉が異物に引っかかっている可能性が考えられます。まずはタンクの中を確認し、引っかかっているようであれば直してから再度試してみましょう。
もうひとつ、タンクの手洗い管から水が流れない原因としてダイヤフラムと呼ばれるパーツの劣化も考えられます。ダイヤフラムは、給水管の水圧を調整するための小さなパーツで、劣化するとタンクの手洗い管から水が出なくなる・止まらなくなる、タンクになかなか水が貯まらなくなるなどの症状が現れます。
対処方法|ダイヤフラムを交換する
- 適合するダイヤフラムを取り寄せる
- 止水栓を閉め、タンクのふたを外す
- ボールタップにカバーが掛かっていたら外す(掛かっていなければ次へ)
- 浮き玉レバー、ナット、ダイヤフラムの順に外す
- 新しいダイヤフラムを取り付ける
- ナット、浮き玉レバーの順に取り付ける(カバーがあればここで取り付ける)
- タンクのふたを戻し、止水栓を開く
メーカーや機種で異なるため、取扱説明書もしくはメーカーの公式サイトなども確認しながら作業してください。また少しでも不安だったり迷ったりする場合は、最初から業者を呼ぶことをおすすめします。
止水栓を開くときは元の位置へ戻す必要があります
止水栓は閉める前の位置まで開く必要があります。開きが足りないとタンクに水が貯まるまでに時間がかかる場合があります。写真を撮っておくなど、元の位置を忘れないための対策をしてください。
トイレの水が流れないときに業者を呼んだほうがよいケース
トイレの水が流れない原因はさまざまですが、自分で対処できるケースと、業者に依頼したほうがよいケースがあります。たとえばパーツ交換などは、正確に取り付けたり微調整をしたりなど、簡単そうに見えて難しいことも多いため、慣れていない方は業者を呼んだほうが確実です。
ボールタップ・浮き玉・フロートバルブなどのパーツを交換する場合
ボールタップ、浮き玉、フロートバルブなどタンク内のパーツ交換は自分でできる場合もありますが、微調整が必要な作業のため業者にお願いすることをおすすめします。レバーやダイヤフラムの交換なども同様です。
そのほかのパーツや部位には問題ないか、劣化していないかなど、あわせて点検してもらえるメリットもあります。
ラバーカップや真空式パイプクリーナーでトイレつまりが直らない場合
一般家庭で発生するトイレつまりの多くは、ラバーカップや真空式パイプクリーナーで解消できます。逆に、これらの道具を使っても解消できないトイレつまりは重度、あるいは固形物などがつまっている可能性も考えられます。
放置しても直るものではありませんし、水漏れなど新たなトラブルを招くおそれもあるため、できるだけ早く業者を呼んで点検・修理を依頼してください。
タンクレストイレの電子部品の故障・水圧の低さに原因がある場合
電化製品を無理に分解したり修理したりしようとすると、故障だけでなく感電などのリスクも出てきます。無理な分解による故障は保証対象外になるおそれもあるため、必ず知識や技術を持ち合わせた業者に依頼しましょう。
また水圧が低いことでタンクレストイレの水が十分に流れないときなども、水圧のチェックなどを含めて業者に点検を依頼しましょう。
どこにも異常がなく原因がわからない場合
トイレの水が流れない原因がわからない、見当たらない、作業に不安があるといった場合も、できるだけ早く業者に点検を依頼してください。
トイレの水が流れないときにやってはいけないこと
放置するのはNG
断水や止水栓の開け忘れなどを除き、必ず原因があります。水漏れなどに発展するおそれもあるため、絶対に放置しないようにしましょう。
無理に流そうとするのもNG
トイレつまりが原因だった場合、バケツなどで無理に水を流そうとすると汚水が溢れてしまいます。原因がわかり解消するまで、無理に流すことは控えましょう。
ワイヤーブラシなどもおすすめしない
トイレつまりを解消する目的で、ワイヤーブラシなどを使用することはおすすめしません。便器や排水管が傷ついたり、ワイヤーが排水管に引っかかって別のトラブルにつながったりするおそれがあります。 関連記事 トイレつまりの解消にワイヤーブラシをおすすめしない理由。より効果的な方法とは?
トイレの水が流れないときは念のため業者に点検を依頼してください
トイレの水が流れない原因はさまざまですが、ご自身で考えている原因とは異なる場合や、複数の要因が重なっている場合もあります。根源を見落としてしまうと水漏れなど新たなトラブルを招いてしまうことも考えられます。
トイレを安心して使うためにも、「断水中だった」「止水栓が閉まっていただけだった」などという場合を除き、念のため業者を呼んで点検を依頼しましょう。
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