トイレタンクや便器に水がたまらなくなる原因と直し方を解説!タンクレストイレの場合は電気系統や水圧など、原因が他と異なることも。とりあえず水を流したいときの応急処置、臭いにおいがする時の注意点、放置しないほうがよい理由も解説します。
この記事の監修
水廻りサポートセンター(株式会社レクト)
愛知・岐阜・三重・静岡の中部地方の水道トラブル修理・交換専門業者です。設立15年、累計施工10万件以上の実績と経験から水回りのお役立ち情報を発信しています。サービスの紹介はこちら
目次
トイレタンクに水がたまらない原因と直し方
まずはトイレのタンクに水がたまらないときに考えられる原因と直し方を説明します。今すぐ水を流したいときは『水がたまらないときの応急処置・流し方』をご覧ください。
止水栓や元栓が閉まっている
トイレの止水栓や水道の元栓が閉まっているとタンクに給水されません。止水栓は床や壁の給水管付近に取り付けられています。元栓は、戸建てなら敷地内の地面、集合住宅なら共用廊下の鉄扉の中あるいは、敷地内の地面に埋められています。
直し方
止水栓はマイナスドライバーなどを使って左に回せば開きます。開き足りないとタンクに水がたまるのが遅くなるため、様子を見ながら調整しましょう。元栓は、ハンドルタイプなら左に回すと開きます。レバータイプは90度動かせば全開です。
断水または水道管の凍結など
工事やメンテナンスなどにともなう断水の可能性もあります。また寒い時期や寒冷地などでは、水道管が凍結していることも考えられます。
直し方
断水は終わるまで待つしかありません。水道管の凍結の場合、凍結している部分にタオルをかぶせ、その上からゆっくり50度程度のぬるま湯をかけて溶かします(※)。
※参考:水道管の凍結防止と凍結したときの対処方法 _ 岩倉市
ボールタップ・浮き玉(ダイヤフラム)の不具合
ボールタップと浮き玉(またはダイヤフラム)は、給水管とつながっているタンク内のパーツです。これらに不具合が生じるとタンクに水がたまらない、水がたまるのが遅くなるなどの症状が現れます。
なおボールタップは給水弁のような役割を、浮き玉やダイヤフラムは水量調節の役割を担っています。浮き玉とダイヤフラムは、両方ではなくどちらかが取り付けられています。
直し方
ボールタップと浮き玉やダイヤフラムを交換することで解消できる可能性があります。自分でも交換できますが、正確な取り付けや微調整も必要なため、ほかのパーツの点検も兼ねて業者に依頼したほうが確実でスピーディーです。
【ボールタップと浮き玉の交換方法】
- 止水栓を閉め、レバーを回してタンクの水を流す
- タンクのふたを外し、スパナでボールタップを取り外す
- 新しいボールタップに交換する
- 止水栓を開き、ボールタップと浮き玉が問題なく機能するか確認する
- 問題なければタンクのふたを戻して終了
止水栓を開くときは元の位置へ戻す必要があります
止水栓は閉める前の位置まで開く必要があります。開きが足りないとタンクに水が貯まるまでに時間がかかる場合があります。写真を撮っておくなど、元の位置を忘れないための対策をしてください。
【ダイヤフラムの交換方法】
- 適合するダイヤフラムを取り寄せる
- 止水栓を閉め、タンクのふたを外す
- ボールタップにカバーが掛かっていたら外す(掛かっていなければ次へ)
- 浮き玉レバー、ナット、ダイヤフラムの順に外す
- 新しいダイヤフラムを取り付ける
- ナット、浮き玉レバーの順に取り付ける(カバーがあればここで取り付ける)
- タンクのふたを戻し、止水栓を開く
止水栓を開くときは元の位置へ戻す必要があります
止水栓は閉める前の位置まで開く必要があります。開きが足りないとタンクに水が貯まるまでに時間がかかる場合があります。写真を撮っておくなど、元の位置を忘れないための対策をしてください。
メーカーや機種で異なるため、取扱説明書もしくはメーカーの公式サイトなども確認しながら作業してください。
各パーツの詳しい交換手順や注意点、交換後の水位調節などについては以下の記事もご覧ください。 関連記事 トイレの水が止まらない原因は?応急処置から直し方まで解説! 関連記事 トイレの水が流れない…?応急処置とその後の対処方法を解説!
レバーハンドルの故障
レバーハンドルが故障していると、便器内に水が流れ続けてしまい、タンクに水がたまらなくなることがあります。
直し方
レバーハンドルを交換することで解消する可能性があります。適合するレバーハンドルを購入し、以下の手順で作業してください。ボールタップと同じく正確な取り付けや微調整も必要なため、できれば業者に依頼することをおすすめします。
- 止水栓を閉め、レバーを回してタンクの水を流す
- タンクのふたを外し、レバーについている鎖を外す
- 固定ナットを緩めてレバーを取り外し、新しいレバーに交換する
- 鎖をつなげて止水栓を開き、フロートバルブが正しく機能するか確認する
- 問題なければタンクのふたを戻す
止水栓を開くときは元の位置へ戻す必要があります
止水栓は閉める前の位置まで開く必要があります。開きが足りないとタンクに水が貯まるまでに時間がかかる場合があります。写真を撮っておくなど、元の位置を忘れないための対策をしてください。
レバー交換の際はゴムパッキンも新しいものに取り替えましょう。また上記は一例です。メーカーなどによっては手順が異なる場合もあるため、必ず取扱説明書を確認してください。詳しい交換手順や注意点などは、以下の記事でも解説しています。 関連記事 トイレの水が止まらない原因は?応急処置から直し方まで解説!
フロートバルブ(ゴムフロート)の劣化
タンクの底にある排水口(便器に水を流すための穴)を塞ぐ役割を果たすのがフロートバルブです。ゴムフロートと呼ぶこともあります。経年劣化で縮んだり溶けたりして、排水口を完全に塞ぐことができなくなると、便器にチョロチョロ水が流れ続けてタンクにたまらなくなります。
直し方
以下の手順でフロートバルブを交換できますが、こちらも業者に頼むほうが安心です。
- マイナスドライバーで止水栓を閉め、タンク内の水を流す
- 古いフロートバルブのチェーンとゴム栓を外す(チェーンはタンク内のアームなどに、ゴム栓はオーバーフロー管の根元の突起などに取り付けられています)
- 新しいフロートバルブのチェーンの長さを古いほうと同じになるように調節する
- 「2」と逆の手順で新しいフロートバルブのチェーンとゴム栓を取り付ける
- 止水栓を開き、オーバーフロー管のウォーターライン(WL)または開口部から2〜3cm下まできちんと水が貯まって給水がストップするか確認したら終了
止水栓を開くときは元の位置へ戻す必要があります
止水栓は閉める前の位置まで開く必要があります。開きが足りないとタンクに水が貯まるまでに時間がかかる場合があります。写真を撮っておくなど、元の位置を忘れないための対策をしてください。
フロートバルブの交換方法や注意点については、こちらの記事もご覧ください。 関連記事 トイレタンクの水漏れは放置しないで!原因と直し方を解説!
オーバーフロー管の破損
オーバーフロー管とは、タンク内の水位が上がりすぎた際、過剰分を便器内に流すことでタンクから溢れ出るのを防ぐ役割を担っています。亀裂が入るなどすると常に便器内に水が流れ続け、タンクに水がたまらない、たまるのが遅くなるといった状態になることがあります。
直し方
オーバーフロー管も自分で交換できないことはありませんが、タンクを取り外す必要があるなど、大変な作業になります。思わぬ事故や故障を防ぐため、業者に交換を依頼してください。
- 止水栓を閉め、タンク内の水を流す
- モンキーレンチでタンクと給水管をつなぐナットを外し、給水管を外す(バケツを下に置いておくとよいかもしれません)
- モンキーレンチでタンクと便器をつないでいるナットを外し、タンクを取り外す
- タンク底のオーバーフロー管を固定しているナットを取り外す
- 新しいオーバーフロー管に交換する
- 逆の手順で元通りに組み立てたら、止水栓を開いて終了
止水栓を開くときは元の位置へ戻す必要があります
止水栓は閉める前の位置まで開く必要があります。開きが足りないとタンクに水が貯まるまでに時間がかかる場合があります。写真を撮っておくなど、元の位置を忘れないための対策をしてください。
フィルターやストレーナーの目詰まり
止水栓の分岐金具や、ボールタップと給水管の接続部分などには、フィルターやストレーナーと呼ばれるパーツが取り付けられています。水道水に含まれる不純物がタンクに流れ込まないようにする役目を果たすものです。フィルターやストレーナーに不純物が蓄積すると、タンクに水がたまるのが遅くなることがあります。
直し方
フィルターやストレーナーは、以下の手順でお手入れをしてみてください。なおメーカーや型番でパーツが異なる場合もあるため、取扱説明書も一緒にご確認ください。
- 止水栓を閉める
- 分岐金具のふた(キャップ)を外してフィルターを取る
- ボールタップと給水管のナットを緩めてフィルターを取る
- 使い古しの歯ブラシなどでこすり洗いする
- それぞれの場所へ取り付けて止水栓を開く
止水栓を開くときは元の位置へ戻す必要があります
止水栓は閉める前の位置まで開く必要があります。開きが足りないとタンクに水が貯まるまでに時間がかかる場合があります。写真を撮っておくなど、元の位置を忘れないための対策をしてください。
汚れが取れない、破れているなど劣化が見られる場合は、この機会に交換することをおすすめします。
便器に水がたまらない原因と直し方
タンクではなく、便器に水がたまらないときに考えられる原因と直し方を説明します。
トイレつまりが発生している
トイレつまりというと水位が上がるイメージですが、逆に水位が下がることもあります。トイレつまりによって排水管内に負圧が発生した場合、排水管内に空気が引っ張られると同時に封水も持っていかれることがあるため、結果として水位が下がってしまうのです。
直し方
ラバーカップや真空式パイプクリーナーなどの道具を使って、トイレつまりを直しましょう。ただし固形物や重度のトイレつまりはラバーカップなどでは直らないこともあります。トイレつまりは一刻を争うトラブルのため、できるだけ早く業者を呼んでください。
ラバーカップの正しい使い方と注意点はこちらにまとめています。 関連記事 トイレのつまりがスッポンで治らない事がある。その2 つの理由!
また真空式パイプクリーナーの使い方や注意点はこちらをご覧ください。 関連記事 真空式パイプクリーナーを使ったトイレつまりの解消方法を紹介!
なおワイヤーブラシなどを使ってトイレつまりを解消する方法もありますが、おすすめはしません。その理由をこちらの記事で解説しています。 関連記事 トイレつまりの解消にワイヤーブラシをおすすめしない理由。より効果的な方法とは?
タンクに水がたまっていない
『トイレタンクに水がたまらない原因と直し方』でお伝えした7つの原因のいずれかにより、トイレタンクに水がたまっていないことが考えられます。
直し方
『トイレタンクに水がたまらない原因と直し方』を参考に、トイレタンク側に起こっているトラブルを解消しましょう。
封水が減っている
封水とは、下水のにおいや害虫などが侵入してくるのを防ぐための溜め水のことです。蒸発や便器の破損(水漏れ)、そのほか誘引減少や毛細管現象など、さまざまな要因で封水が減ってしまうことがあります。封水が減ると下水の臭いにおいがのぼってくるなど、衛生的にも好ましくありません。
直し方
蒸発であれば次に水を流すだけで解消するはずです。それでもたまらないときはトイレつまりが発生しているかもしれません。『トイレつまりが発生している』を参考にトイレつまりを直しましょう。
また便器の破損による水漏れなどは、直ちに業者を呼んでください。封水が減る・トイレの水位が低下する場合の原因と対処方法は、こちらの記事でも詳しく説明しています。 関連記事 水位が下がる原因はトイレつまりだけじゃない!適切な対処法は?
タンクレストイレに水がたまらない原因と直し方
電気系統のトラブル
タンクレストイレは電気で水を流しています。便器内に水がたまらない=水が流れない場合、元気系統にトラブルが生じているかもしれません。
直し方
電気製品のため、分解すると故障や感電などのリスクがあり危険です。業者に点検・修理を依頼してください。
水圧が不足している
水道管から直接便器に洗浄水を流すタンクレストイレは、水圧が不足することで水が流れにくくなる(便器にたまらなくなる)ことがあります。
直し方
一時的なものであれば、少し待ってから水を流してみてください。頻繁に起こる、その状態が続くといった場合は、水道管などにトラブルが生じているかもしれません。水道業者に点検を依頼しましょう。
止水栓や元栓が閉まっている
単純に止水栓や元栓が閉まっているだけかもしれません。
直し方
冒頭でお伝えした『止水栓や元栓が閉まっている』を参考に、止水栓または元栓を開いてください。
断水または水道管の凍結など
工事やメンテナンスにともなう断水、または水道管の凍結が原因のこともあります。
直し方
冒頭でお伝えした『断水または水道管の凍結など』を参考に対処してください。
水がたまらない状態を放置しないほうがいい理由
トイレつまりを招く
タンクに水がたまらないということは、洗浄水量が減るということです。排泄物やトイレットペーパーをきちんと流しきれず、トイレつまりを招くおそれがあります。
下水の臭いにおいが充満する
便器に水がたまらない場合、下水の臭いにおいがのぼってきたり、害虫が侵入したりするおそれがあります。衛生的にもよくないため、放置しないようにしましょう。
水道代が高額になってしまう
タンクから便器に水がチョロチョロ流れ続けていたり、どこかで水漏れが発生していたりした場合、積もり積もって水道代が高額になってしまうおそれがあります。以下の記事では、具体的な水道代についても触れているのでぜひ参考にしてください。 関連記事 トイレの水が勝手に流れる原因と止める方法!水道代は大丈夫?
水がたまらないときの応急処置・流し方
とりあえず今すぐに排泄物などを流したい場合は、以下の方法を試してみてください。
バケツで水を流す
- バケツ1杯(5〜6リットル程度)の水を一気に流し込む
- さらにバケツ2/3(3〜4リットル程度)の水を流す
- トイレを2〜3回使用するたびに、バケツ2杯(10〜12リットル程度)の水を流す
緊急時は、ひとまずこの方法で排泄物やトイレットペーパーなどを流しましょう。「3」は、排泄物の滞留を防ぐためにおこなうものです。ただし、以下の場合は注意が必要です。
トイレつまりの場合は注意
トイレつまりが発生しているところへ大量の水を流すと、便器から溢れてしまうおそれがあります。無理に流そうとせず、まずは『トイレつまりが発生している』を参考にトイレつまりを解消するところから始めましょう。
トイレの水がたまらないときは業者に点検を依頼してください!
トイレタンクや便器に水がたまらない原因は、止水栓や元栓の開け忘れ、断水といった単純なものからタンク内のパーツの故障、トイレつまりなど多岐にわたります。
ご自身で解消できる状態なら良いですが、頻繁に発生する、原因がわからないといった場合、対処が遅れると水道代が高額になるなど、被害が拡大するおそれがあります。少しでも困ったときは、点検も兼ねてぜひ業者を呼んでください。
愛知・静岡・岐阜・三重の
水のトラブル最短30分駆けつけ!
水漏れ・つまり・修理など水のトラブルは、
私たち「水廻りサポートセンター」にご依頼頂けます。
水道トラブル 税込5,500円~!
さらにネット限定 3,000円割引中!
トラブル内容により部品代・処分費が必要となる場合がございます。
私たちが選ばれ続ける理由
- 24時間365日、いつでも受付
- 必ず見積もり・ご納得後に作業
- 安心の水道局指定業者
- 地元で選ばれ続けて設立15年
- 累計10万件の豊富な実績
- 有資格者多数在籍で高品質
- 無償の工事2年保証
お喜び頂いたお客様写真や口コミを多数公開中!
ぜひ一度、私たちの水道トラブルサービスもご検討ください。