水が少しずつ流れる状態は「完全なつまりの一歩手前」です。この記事では、水まわりのプロである私たちが「症状別の緊急度診断」や「ラバーカップ(スッポン)で直らない原因」、そして「やってはいけないNG行動」について詳しく解説します。

この記事の監修
水廻りサポートセンター(株式会社レクト)
愛知・岐阜・三重・静岡の中部地方の水道トラブル修理・交換専門業者です。設立20年、累計施工10万件以上の実績と経験から水回りのお役立ち情報を発信しています。サービスの紹介はこちら
目次
【プロが判定】自然に治る?業者を呼ぶ?(緊急度診断)
まずは現在の状況をチェックしてみましょう。当てはまる症状で対処法が変わります。
▼自分でも直せる可能性があります
- トイレットペーパーを大量に流した直後につまった
- 「流せるお掃除シート」や「排泄物(大便)」がつまっている
- 水は引くが、流れが悪い状態
▼業者依頼を強く推奨します(放置厳禁!)
- スマホ、おもちゃ、芳香剤のキャップなどの固形物を落とした
- おむつ、生理用品、ペットシートを流した
- 水が引いた後の「便器の水位」がいつもより極端に低い(★危険信号)
▼プロによる点検が必要です
- 心当たりがないのに流れが悪い・詰まりを繰り返す
- 屋外の排水桝(マンホール)から汚水が溢れている
これはトイレつまり?水が少しずつ流れるときに起こっていることとは
水を流すといったん水位が上がり、そのあと少しずつ流れるという場合、トイレつまりの前兆、あるいは「不完全つまり」の状態かもしれません。具体的には次のような状態が考えられます。
排水管に隙間がある「不完全つまり」の状態
まず考えられるのは、異物による排水管のつまりです。しかし排水管が完全に塞がってしまったのではなくわずかに隙間があり、そこから少しずつ水が流れている状態であると思われます。
「完全に詰まって水がまったく引かない状態」よりはマシに見えますが、トイレットペーパーを流すとその隙間も埋まり、すぐに「完全閉塞(溢れる)」になるリスクが高い状態です。
水が引いた後の「水位」を見てみよう
水が時間をかけて引いた後、便器の中に残っている水(封水)の水位を見てください。
もし「いつもより水位が極端に低い」場合は要注意です。これは「毛細管現象」といって、排水管の奥に引っかかった異物(タオルやオムツ、大量の紙など)が便器の水を吸い上げ、排水管の奥へと引き込んでしまっている可能性があります。
つまりの原因が深く重症化しているケースが多いため、早めの相談をおすすめします。
【心当たりがない人へ】尿石や排水管トラブルの可能性
「異物を流した記憶がないのに、なぜか流れが悪い…」 そんな場合に考えられる原因は以下の通りです。
- 尿石の蓄積: 男性用小便器や掃除不足の洋式トイレでは、尿石が配管内で石のように固まり、通り道を狭くしていることがあります
- 「流せる〇〇」の蓄積: 流せるお掃除シートや猫砂なども、溶けきる前に曲がり角に蓄積しているケースがあります
- 節水による水量不足: タンクにペットボトルを入れるなどの過度な節水により、汚物を押し流すパワーが足りず、配管の途中で止まっている可能性があります
- 屋外の排水管(木の根): トイレ本体ではなく、屋外の下水管に「木の根」などが入り込み、つまりを引き起こしていることもあります
少しずつ流れるトイレつまりは放置すれば直る?悪化する?
トイレつまりでもっとも避けたいのが「判断ミス」です。放置して悪化すればトイレを使えない時間が延びるだけでなく、修理費用が高くなるおそれがあります。 少しずつ流れるようなトイレつまりを放置してもよいケース、悪化するおそれがあるケースを知っておきましょう。
自然に直る可能性があるケース(トイレットペーパー・便)
トイレットペーパーや流せるおそうじシート、排泄物や食べ物など「水に溶ける・ふやけて崩れる・砕ける」といったものだけが原因であれば、放置して直る可能性があります。
2〜3時間ほど時間を置くことで水を含んで柔らかくなり、自然に流れることがあるためです。
ただし、たとえトイレットペーパーなどでも大量につまっている場合は直らないことも考えられます。
厳禁!放置しても直らないケース(固形物・吸水性素材)
スマートフォンやおもちゃなどの「固形物」、ナプキンやおむつなど「水を吸って膨らむもの」は放置しても絶対に直りません(溶けません)。少しずつ流れているからそのうち直るだろう、と勘違いして放置しないようにしましょう。次に使った人がトイレットペーパーなどを流した際、つまって悪化するおそれがあります。
放置リスクは「悪臭」や「階下への水漏れ」「損害賠償」など!
少しずつ流れるトイレつまりを放置して悪化させた場合、具体的に次のようなトラブルが想定されます。
- 悪臭の発生(封水切れ): 便器内の溜め水が減ってしまい、下水から悪臭が上がってくる
- 階下への水漏れ: 排水管のつなぎ目から汚水が漏れ、マンションやアパートの下の階へ被害を与える
特に集合住宅の場合、下階への水漏れで高額な修繕費用を請求されたり、損害賠償トラブルになったりすることもあります。さまざまなリスクを避けるためにも、最初の段階で適切に対処することが肝心です。
少しずつ流れるトイレつまりの正しい対処方法
少しずつ流れる状態のトイレつまりを自分で直す場合の、正しい対処方法を2つ紹介します。いずれの方法も、「水に溶ける・ふやけて崩れる」ものだけが原因であることが確実な場合にのみ試してみてください。
原因不明のときや、固形物など複数の原因があるときは、悪化させるリスクがありますので業者を呼びましょう。
ラバーカップ(スッポン)の正しい使い方は「引く」こと
まずはラバーカップ(スッポン)を使う方法です。 重要なのは、「押す」のではなく「引く」時に力を入れることです。
- 先端のカップを排水口にゆっくり押し当てて中の空気を抜く(真空状態にする)
- 勢いよくグッと手前に引く
これにより排水管内の圧力が変化し、つまりの原因が手前に引き戻されたり、崩れたりして解消します。押す時に力を入れると、つまりを奥へ押し込んでしまうので注意してください。
ラバーカップの使い方や注意点などについては、こちらの記事もご覧ください。 関連記事 トイレつまりがスッポンで治らない!プロが教える「次の一手」

ラバーカップより強力!真空式パイプクリーナー
もうひとつ、ラバーカップよりも吸引力が強い真空式パイプクリーナーを使う方法もおすすめです。ポンプのような形状をしており、ハンドルを引くだけで強力な吸引力を発揮します。使い方自体はラバーカップとほぼ同じで、力が弱い方でも扱いやすくホームセンターなどで購入可能です。
真空式パイプクリーナーの使い方や注意点などについては、こちらの記事もご覧ください。 関連記事 真空式パイプクリーナーを使ったトイレつまりの解消方法を紹介!

トイレつまりがラバーカップ(スッポン)で直らない・悪化する原因
「ラバーカップを何度もやっているのに一向に直らない」「むしろ水の流れが悪くなった気がする」そんなとき、無理に作業を続けるのは危険です。ラバーカップで直らない場合、以下のような原因が考えられます。
固形物を奥へ「押し込んで」しまっている
つまりの原因がスマホやおもちゃなどの「固形物」だった場合、ラバーカップを使うのは逆効果です。圧力をかけることで、固形物が排水管の奥深くや、複雑に曲がった部分へと押し込まれてしまい、取り出すのが困難な位置でガッチリと挟まってしまうからです。
こうなると、便器を取り外す大がかりな工事が必要になることもあります。「固形物を落としたかも」という場合は、絶対にラバーカップを使わず業者へ連絡してください。
ラバーカップのサイズや種類が合っていない
ラバーカップには「和式用」「洋式用」「節水トイレ用(ツバ付き)」など種類があります。 便器の形状に合ったものを使わないと、隙間ができて真空状態をうまく作れず、効果が発揮されない可能性があります。特に最近の節水トイレは排水口の形状が複雑なため、専用のものが推奨されます。
屋外の排水管がつまっている
便器の中ではなく、屋外の排水桝(汚水桝)で詰まりが起きている場合、室内でいくらラバーカップで作業をしても解消しません。
「心当たりがないのに直らない」という場合、一度外に出て、トイレ付近の小さいマンホールを開けて確認してみることをおすすめします(戸建ての場合)。もし満水になっているときは、高圧洗浄などの専門的な対処が必要です。
【注意】少しずつ流れるトイレつまりの誤った対処方法
誤った方法をとってしまうと、事態が悪化したり効果がまったくなかったり、便器が壊れたりすることがあります。特に以下の方法は推奨しません。
無理に水を流す(あふれる原因)
「少しずつなら流れるから」といって何度もレバーを回して水を流すのはNGです。排水能力を超えた水が一気に溜まり、便器から汚水が溢れ出して床が汚れてしまいます。
直ったことが確認できるまでは、バケツで少量の水を流してテストするようにしましょう。
熱湯を流す(効果弱、便器の破損リスクあり)
「お湯で紙を溶かす」という方法も聞かれますが、熱湯を流すのは厳禁です。 便器は陶器でできているため急激な温度変化に弱く、熱湯をかけるとひび割れてしまうおそれがあります。
便器が割れると水漏れが発生し、便器ごとの交換が必要になります。
重曹・クエン酸・お酢・洗剤(効果が薄い上に危険)
「重曹とクエン酸(お酢)で直る」「食器用洗剤を入れる」などの情報を見かけますが、トイレつまり解消には効果が期待できません。
- 理由1:重曹とクエン酸やお酢を混ぜて発生する炭酸ガスの泡は、洗浄用としては有効ですが、異物を溶かしたり押し流したりするほどの圧力はありません
- 理由2:家庭用洗剤を便器に入れても水で薄まってしまい、排水管の奥にあるつまり箇所に届く頃には洗浄成分が弱まっています
時間とお金をかけて洗剤を大量投入するよりも、真空式パイプクリーナーなどの「物理的に動かす道具」を使うか、プロに依頼する方が結果的に早く・安く解決します。
針金ハンガー・ワイヤーブラシ(便器を傷つける)
加工した針金ハンガーやワイヤーブラシを突っ込む方法もありますが、排水管の曲がり角で引っかかって抜けなくなったり、便器の表面(釉薬)を傷つけたりするリスクがあります。
傷ついた部分には汚れが溜まりやすくなり、新たなつまりの原因にもなりますので、おすすめしません。
▼そのほかNG行為についてはこちらで詳しく解説!
熱湯がダメな理由はこちら
重曹・クエン酸(お酢)がダメな理由はこちら
洗剤がダメな理由はこちら
ピーピースルーがダメな理由はこちら
ペットボトルがダメな理由はこちら
ビニール袋がダメ理由はこちら
ワイヤーブラシがダメな理由はこちら
針金ハンガーがダメな理由はこちら
少しずつ流れる状態が直らない場合は、早めにプロへ相談を
少しずつ流れるトイレつまりには、放置していれば直る原因と、放置しても直らない(悪化するおそれがある)原因があります。
まずは原因を見極め、それに応じて正しい対処方法を選択することが大切です。
また、ラバーカップや真空式パイプクリーナーで試しても直らない、直る気配がないときは別の原因も考えられます。
固形物を押し込んでしまうと、便器の脱着といった大掛かりな作業が必要になってしまうこともあります。何度か試して解消されないときは、速やかに業者を呼ぶことをおすすめします。
賃貸・マンションの場合はまず管理会社へ
アパートやマンションにお住まいの場合は、業者を呼ぶ前にまずは管理会社や大家さんへ連絡しましょう。建物の共用部分(排水管)のトラブルであれば、管理会社側で対応してくれるケースもあります。
ただし「点検のみ」「夜間や休日」「緊急時」などに関しては、先に業者を呼ぶほうが事態の悪化を防げる可能性が高くなります。その場合、問い合わせたときに賃貸である旨を伝えておきましょう。
当店のような「水道局指定工事店」なら安心
「自分でやるのは不安」「すぐに直したい」という方は、私たちプロにお任せください。固形物を押し込んでしまって便器脱着が必要になる前にご依頼いただければ、軽度な作業で済み、費用も安く抑えられる可能性が高くなります。
業者選びに迷ったときは、各市町村の水道局が認定する「水道局指定業者」で絞り込むことをおすすめします。国が定めた基準に従って正しく施工できると認められた業者で、非認定業者にはできない工事も取り扱っています。
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