本来水に溶けるはずのトイレットペーパーが、トイレつまりの原因となることがあります。その理由を解説するとともに、放置すれば自然に直るのか?誤った対処方法とは何か?トイレットペーパーつまりを防ぐにはどうすればよいのか?など基礎知識も解説します。
この記事の監修
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目次
トイレットペーパーつまりの4つの原因
一度に大量に流しすぎた
水に溶けるとはいえ、一度に流せる量には限界があります。詳しくはこちらで述べていますが、トイレットペーパーは溶けるというよりも、小さなカスのようにちぎれるだけです。そのカスが蓄積されれば、やがてトイレつまりが発生してしまいます。
洗浄水量が不足していた
たとえば大をしてトイレットペーパーで何度もお尻を拭いたあと、小のレバーで水を流したとします。小のほうが洗浄水量が少ないので、便やトイレットペーパーを排水管の奥まで流しきれない可能性があります。習慣となっている場合、トイレットペーパーのカスが少しずつ蓄積されてつまりに発展するおそれがあります。
すでに排水管の奥でトイレつまりが発生していた
固形物を落として気づかないままだった、食べ残しを流す習慣があって排水管の中で油が固着してたなどの原因で、すでに排水管の奥で軽いトイレつまりが発生している場合もあります。そこへ大量のトイレットペーパーを流した場合、カスが蓄積されてつまってしまうことがあります。
海外製など溶けにくいトイレットペーパーを流した
日本では、当たり前のように使用後のトイレットペーパーを水に流していますが、海外にはそうした習慣がない国もあります。排水や下水がきちんと整備されていないなどの理由で、トイレの横などに設置されたゴミ箱に捨てるのが一般的です。ですので、水に溶けやすいトイレットペーパーを作る必要がありません。
また一概にはいえませんが、欧米のトイレットペーパーは日本のものより厚手であることが多いといわれています。水に溶けにくく、しかも厚みがあるというわけです。こうした理由から、海外製のトイレットペーパーを日本のトイレに流した場合、溶け切らずにつまりの原因となることがあります。
注意!トイレットペーパーは「砂糖のように溶ける」わけではない
トイレットペーパーが「溶ける」と表現していますが、実際にはコーヒーに加えた砂糖のように溶けてなくなるわけではありません。メカニズムを説明すると以下の通りです。
※本記事では便宜上「溶ける」と表現しています。
消えてなくなるのではなく「細かくちぎれる・ほぐれる」だけ
水が入った容器に砂糖を入れてかき混ぜると、やがて透明になり、容器の中は水だけに見えます。
一方、水が入った容器にトイレットペーパーを入れてかき混ぜると、あっという間にバラバラになり、さらに混ぜると細かくちぎれていきます。しかし、その状態からいくら待ってもカスが沈殿しているだけで、消えてなくなることはありません。
このように「溶ける」と表現されますが、厳密には非常に細かくちぎれる・ほぐれるだけで、カスは残り続けます。たとえ小さなカスでも、蓄積すればトイレつまりを発生させる原因となることがあるのです。
トイレットペーパーとティッシュペーパーの違いは?
トイレットペーパーには、繊維が細くて短い「広葉樹パルプ」が使われており、さらに繊維同士がほぐれやすいようデンプンが含まれています。水に溶けやすくするためです。
その点、ティッシュペーパーはいとも簡単に破れてしまうと使い物になりませんので、繊維が太くて長い「針葉樹パルプ」を原料としています。繊維同士の結束力が強く、トイレットペーパーよりも水に溶けにくいため、トイレにティッシュペーパーを流すとつまりを招いてしまうことがあります。
トイレットペーパーつまりは放置すれば自然に直る?
トイレットペーパーだけが原因なら直る可能性がある
トイレつまりの原因が、大量に流したトイレットペーパーのみであれば、放置で直るかもしれません。放置する間にちぎれたりほぐれたりすれば、次に水を流したときに流れる可能性があるためです。
しかし「トイレットペーパーだけが原因かどうかわからない」「固形物など他の要因も重なっている」という場合、放置しても直らない可能性があります。
トイレットペーパーつまりの放置時間は30分〜1時間程度
トイレットペーパーつまりが発生し、放置して様子を見る場合、30分〜1時間程度を目安にしましょう。大量に流してしまったので少し長く放置したいという場合でも、2時間程度が目安になります。
これ以上放置しても直らないときは、この後に紹介する別のトイレつまりを解消する方法や、専門業者を呼んで点検してもらうことをおすすめします。 関連記事 リスクあり!自然に治るトイレつまりの放置時間とNGなケース
今すぐトイレットペーパーのつまりを自分で解消する方法
放置することで自然につまりが解消される可能性もありますが、すぐにトイレつまりを解消できる可能性の高い方法として、トイレのつまりでおなじみのラバーカップ(すっぽん)や真空式パイプクリーナーといった道具を使うことをオススメします。
ラバーカップ
ご家庭で発生する、トイレットペーパーなどが原因の一般的なトイレつまりは、ラバーカップで解消できるケースがほとんどです。ラバーカップは「すっぽん」などとも呼ばれている、先端にゴム製のカップがついた道具です。
カップを排水口に押しつけて中を真空状態にしたら、グッと勢いよく引くことで排水管の中の圧力を変化させ、トイレつまりの原因となっている異物を動かして流します。
ラバーカップには和式用や洋式用、節水トイレ用などがありますので、お使いのトイレに合うものを選びましょう。
ラバーカップの使い方や注意点などについて詳しくは、こちらもご覧ください。
関連記事
トイレのつまりがスッポンで治らない事がある。その2 つの理由!
真空式パイプクリーナー
トイレつまりを解消するメカニズムはラバーカップと同じですが、よりコンパクトで強力な吸引力を持つのが真空式パイプクリーナーです。先端のカップを排水口に押しつけて、手元のハンドルをグッと引くことでトイレつまりの原因となっている異物を動かします。
トイレ用のほかにも、お風呂やキッチンの排水口用などがあり、カップのサイズや形状が異なります。購入する際はトイレ用のものを選ぶようにしましょう。
真空式パイプクリーナーの使い方や注意点などについて詳しくは、こちらもご覧ください。
関連記事
真空式パイプクリーナーを使ったトイレつまりの解消方法を紹介!
トイレットペーパーつまりが発生したときにやってはいけないこと
レバーを回して水を流すのはNG
トイレットペーパーが根本的な原因ではない場合、汚水があふれて床が水浸しになってしまうおそれがあります。「続けて水を流せば早く溶けるだろう」「水量が足りなかっただけかもしれない」など、つい水を流したくなるかもしれませんが、レバーは回さないようにしてください。
バケツなどで水を流すのもNG
上記と同じ理由から、バケツや桶に水をくんで流すという行為も控えたほうがよいでしょう。
お湯が効果的という根拠もない
砂糖であれば、アイスコーヒーよりもホットコーヒーのほうがよく溶けます。しかしトイレットペーパーは溶けるのではなくちぎれる・ほぐれるもので、お湯を使ったからといってさらに細かく砕けるという根拠はありません。熱湯を使えば便器がひび割れを起こすおそれもあるため、お湯の使用も控えたほうがよいでしょう。 関連記事 便器が割れる!?トイレつまりをバケツとお湯で直す方法と注意点
トイレットペーパーつまりの起こりやすさは便器メーカーで変わる?
主要メーカーの最新便器の洗浄水量
- TOTO:大4.8L(ピュアレストEXシリーズ)
- LIXIL:大5.0L(サティスSタイプ、超節水ECO5)
- パナソニック:大4.8L(アラウーノL150シリーズ、ターントラップ方式)
一例ですが各メーカーの大洗浄の水量です。おおよそ4.8〜5.0Lといったところが主流となっています。TOTOのC720R(1987〜2001年商品)は大13L、CS80B(1999〜2004年商品)は大8Lであることから、節水性能が大幅にアップしたことがわかります。
節水トイレはつまりやすい?
この節水機能により、トイレットペーパーが流れにくくなっているのではないか?あるいはメーカーによってトイレットペーパーつまりの起こりやすさが違うのではないか?と考える方もいるかもしれません。
10年以上前のリフォーム用の節水トイレが出たばかりの頃は、つまりやすいものも実際にあったのですが、最近の節水トイレは各メーカーが設定した水量で十分に流れるように設計していますので「節水トイレ自体がつまりやすい」と言ったことは考えにくいかと思います。
ただし、トイレの先の配管は節水トイレの影響を受けるケースがあります。
元々のお家の配管の作りや経年による排水勾配の不要などにより、今までなら大量の水で押し流せていたものが、節水により水量が減り、十分に流せなくなったという可能性があります。
メーカーによってトイレットペーパーつまりが起こりやすいことはない
上記の通り洗浄水量はほぼ同じですから「メーカーによってトイレットペーパーつまりが発生しやすい」ということは考えにくいでしょう。また、近年主流の節水型トイレは「つまりやすい」といわれていますが、こちらも一概にいえません。単にトイレットペーパーを大量に流しすぎたことが原因かもしれませんし、便器の不具合や排水設備の問題なども考えられるためです。
節水型トイレの設置を考えている方は、事前にメーカーのカタログなどで排水管の条件を確認しておくと安心です。またリモデルする場合も、業者に給排水設備の老朽化状況などを点検してもらうとよいでしょう。
トイレットペーパーつまりを防ぐには?
トイレットペーパーを一度に大量に流さない
もっとも基本となるのが、トイレットペーパーを一度に大量に流さないということです。適量についてはこちらで説明していますので、ぜひこの機会に見直してみましょう。
「大」「小」のレバーは正しく使い分ける
大と小では水量が異なるため、流せるトイレットペーパーの量も違います。大をしたら大のレバー、小をしたら小のレバーと、正しく使い分けることを心がけましょう。
タンクにペットボトルを入れるなどの節水対策は控える
節水目的でタンクにペットボトルを入れているご家庭は、できれば取り出すことをおすすめします。過剰な節水により、洗浄水量不足を招くおそれがあるためです。節水する心がけは大切なことですが、トイレットペーパーつまりを修理する費用のほうが高くつくかもしれません。過剰な節水は控えましょう。
JISマーク付きのトイレットペーパーを使用する
JISマーク付きのトイレットペーパーは「水に浸して100秒以内で溶ける(ほぐれる)」という要件を満たしています。溶けやすさの基準がしっかりしている、JISマーク付きのトイレットペーパーを使うのもおすすめです。
トイレットペーパーの適切な使用量も知っておこう
日本人のトイレットペーパーの平均使用量はどれくらい?
- 男性:大3.15m
- 女性:大3.52m、小1.45m
日本トイレ協会の調査によれば、日本人のトイレットペーパーの平均使用量はこのような結果となりました(いずれもシングルの場合)。体調などにもよりますが、自分がどれくらいトイレットペーパーを使っているかを知るひとつの基準になるのではないでしょうか?
大はシングル10m(ダブル5m)、小はシングル3m(ダブル1.5m)が目安
- 大洗浄:シングル10m、ダブル5m
- 小洗浄:シングル3m、ダブル1.5m
TOTOによる洗浄水量と流せるトイレットペーパーの量です。上述した平均と、こちらの数字の範囲に収めることを心がけてみてはいかがでしょうか?体調不良などで一度に大量のトイレットペーパーを使用する場合でも、二度に分けて流すなどの判断がしやすくなります。
トイレットペーパーを無駄に使用しないための使い方のコツ
手で巻き取るとどうしてもトイレットペーパーの使用量が多くなってしまうといわれています。ミシン目ごとに折り返して重ねる、丸めてだんご状にするといったことで、使いすぎを防ぐことが可能です。
またシングルとダブルで同じように使ってしまうと、ダブルのほうが使用量が多くなってしまいます。ダブルをお使いのご家庭は、シングルの半分程度の使用量に抑えることも心がけましょう。
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