水を流したあとトイレの水位が下がる、いつもより溜まる水の量が少ないという場合、どこに原因があるのでしょうか?考えられる7つの原因と放置するとどうなるのか、確認することや適切な対処方法、やらないほうが良いことをまとめたので参考にしてください。
この記事の監修
水廻りサポートセンター(株式会社レクト)
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目次
トイレの水位が下がるときに考えられる7つの原因
トイレつまりによる封水の水位低下
便器内には、下水の臭いや害虫などが侵入してくるのを防ぐ「封水」と呼ばれる水が溜まっています。水を流したあと封水の水位が下がる(いつもよりも低い位置で溜まる)場合、トイレつまりが発生しているかもしれません。
トイレつまりで水位が「上がる」のではなく「下がる」理由は?
一般的に、トイレつまりは水位が上がるイメージがあります。しかしトイレつまりが起こると、排水管内に「負圧」が発生することがあります。この場合の負圧とは、排水管内の気圧が外の気圧よりも低い状態になることを指します。
空気は気圧が高いところから低いところへと流れるため、気圧が低い排水管内に空気が引っ張られるときに、封水も持っていかれる=水位が下がるというわけです。
蒸発による封水の水位低下
旅行などで家を長い間留守にしいてた場合などに、封水が少しずつ蒸発して水位が下がったということも考えられます。この場合は水を流せば問題なく溜まるはずです。
便器の破損による水漏れ
便器の内部に破損(ヒビ割れ等)が生じており、そこから水が少しずつ漏れることで封水の水位が下がるケースもあります。便器ではなく、排水管に亀裂が生じて水漏れしている場合も同様のことが考えられます。
誘引現象による封水の減少
マンションや一戸建てで1階にトイレがあり、2階以上の洗面所やお風呂、キッチンなどで大量の水を一気に排水した場合、1階のトイレとつながっている排水管内に負圧が発生して封水が引っ張られることがあります。あるいは台風などの影響で排水管内の気圧が下がった場合なども、封水が引っ張られて水位が下がることがあります。
毛細管現象による封水の減少
液体が細い溝や隙間などに浸透していくことを毛細管現象といいます。通常トイレの排水管は、S字を横にしたような形に大きく湾曲していますが、洗浄水量不足などでその湾曲上部にトイレットペーパーが残ってしまうことがあります。そのとき毛細管現象が起こると、封水がトイレットペーパーに少しずつ吸収されて減ってしまうことがあります。
タンクの水量が減ったことによる封水不足
タンク内の部品(ボールタップなど)が故障するなどして十分水が貯まらなかった場合、洗浄水量不足によって封水がいつもより低い水位に溜まることがあります。ボールタップなどの故障のほか、止水栓が閉まっていてタンクに給水されなかった、水道工事などで一時断水中のため貯まりきらなかった、ということも考えられます。
サイホンの原理が過剰に働いたことによる封水の減少
上述のようにトイレの排水管は大きく湾曲しています。湾曲部分を汚物やトイレットペーパーが乗り越えるために用いられているのがサイホンの原理です。サイホンゼット方式の便器に見られる仕組みなのですが、排水管の状態(たるみ、勾配、カーブの多用など)により、サイホンの原理が過剰に働いた場合、封水が減ってしまうことがあります。
トイレの水位が低い状態を放置するとどうなる?
トイレットペーパーが原因のつまりは自然に直る可能性がある
トイレットペーパーを流しすぎたことが原因で発生したトイレつまりであれば、時間の経過とともに細かくちぎれて自然に解消する可能性があります。 関連記事 リスクあり!自然に治るトイレつまりの放置時間とNGなケース
固形物などの場合はトイレつまりが悪化するおそれがある
スマートフォンなどの固形物は水に溶けない上、流れてもいかないため、そこへトイレットペーパーなどが引っかかって悪化するおそれがあります。オムツなど水を吸って膨らむものも、どんどん吸水して排水管を完全に塞ぎ、症状を悪化させるおそれがあります。自分で直すのは難しいため業者を呼ぶことをおすすめします。
封水不足で下水から悪臭が上がってきてしまう
封水には下水の臭いや害虫の侵入を防ぐ役割があります。封水が不足した状態を放置すれば、下水から悪臭が上がってきたりハエなどの害虫が侵入したりすることも考えられます。
下の階に浸水してしまうおそれがある
便器や排水管の破損による水漏れが原因だった場合、放置することで下の階へ浸水するおそれがあります。マンションやアパートなどの場合、下の階に損害を与えれば大きな問題になることも想定されるため注意が必要です。
トイレの水位が下がるときに確認すること
トイレつまりの原因になるものを流していないか
トイレットペーパーや流せるお掃除シートなどを一度に大量に流していないか、スマートフォンなどをうっかり落としていないか、オムツなど本来トイレに流してはいけないものを流していないかなどを確認しましょう。
タンクには十分水が貯まっているか
タンクのふたを開けて水が貯まっているか確認しましょう。少なければボールタップなどの部品が破損していないか、止水栓は開いているか、断水中ではないかなども確認してみてください。十分貯まっているという場合は、ほかの原因が考えられます。
水漏れが発生していないか
トイレつまりでもタンクの水量不足でもない場合は、便器と床のつなぎ目などに水が溜まっていないか確認してください。じんわりにじんでいる程度でも、便器の内部では水漏れが発生している場合があります。
水を流してみても同じように水位が下がるか
「大」のレバーで水を流しても、同じように封水の水位が下がるか確認しましょう。排水管の湾曲部分にトイレットペーパーが留まっているだけであれば、水を流して解消できる可能性があります。しかし同じように封水の水位が下がる場合、固形物のつまりや水漏れなど、ほかの原因が考えられます。
トイレの水位を上げたいときの適切な対処方法
トイレつまりの原因を取り除く
トイレットペーパーならラバーカップ(真空式パイプクリーナー)で解消
トイレットペーパーや流せるお掃除シートなどが原因のトイレつまりであれば、ラバーカップ(または真空式パイプクリーナー)を使って解消できます。詳しいやり方や注意点などについては、こちらの記事をご覧ください。 関連記事 トイレのつまりがスッポンで治らない事がある。その2 つの理由! 関連記事 真空式パイプクリーナーを使ったトイレつまりの解消方法を紹介!
手で取り除けるものなら取り除く
排水口のすぐそこに異物がある場合は、ビニール袋やゴム手袋などで手を覆って掴み取る方法もあります。ビニール袋を使う際はこちらの記事も参考にしてみてください。 関連記事 トイレつまりをビニール袋で直すのは無理?断然おすすめの方法は2つ!
固形物などであれば業者を呼ぶ
排水管の奥のほうに入ってしまった固形物やオムツなどは、自分で取り出すことが難しい上に、ラバーカップなどを使うとさらに奥へ押し込んで悪化させるリスクがあります。この場合は最初から業者を呼びましょう。
誘引現象が原因であれば様子を見る
上の階で一気に排水したことや、台風などによる気圧の変化で排水管内が負圧になり封水の水位が下がったという場合は、いったん様子を見てみましょう。誘因がなくなることで解消する可能性があるためです。時間を置いて再度水を流し、水位が下がるかどうか確認してください。それでも水位が下がるなら別のところに原因があるかもしれません。
頻繁に発生するようであれば業者に点検してもらう
あまりにも頻繁に誘引現象が起こるようであれば、通気管を取り付けるなど排水管内の通気を改善する必要があります。この場合はまず業者を呼んで、排水管を点検してもらうことをおすすめします。
タンクの不具合であれば部品を交換(業者を呼ぶ)
ボールタップなどタンクの部品に不具合がある場合は、それらを交換することで解消できるはずです。DIYで交換できる部品もありますが、ほかに原因がないか点検してもらう意味でも業者に依頼することをおすすめします。
念のため洗浄水量の設定も確認する
「大」「小」の洗浄水量を設定変更できるトイレをお使いのご家庭は、念のため設定を確認してみてください。少ない方に設定している場合、トイレットペーパーが流れきらずに残ってしまっている可能性があるためです。通常の洗浄水量に戻してみて、水位が戻るかどうか確認しましょう。
便器の破損、排水管の問題、原因不明などの場合は業者を呼ぶ
便器や排水管の破損による水漏れは自分で直すことが難しいため、業者を呼んでください。同じように原因がわからないときも、それ以上の悪化を防ぐため業者を呼んで点検してもらうことをおすすめします。
トイレの水位が下がっているときにやらないほうが良いこと
ワイヤーブラシや針金ハンガーを無理に突っ込む
便器や排水管を傷つける可能性があるだけでなく、固形物などを奥へ押し込んでしまえば、トイレつまりが悪化するかもしれませんのでおすすめできません。ワイヤーブラシや針金ハンガーを使う際の注意点などはこちらの記事でも詳しく解説しています。 関連記事 トイレつまりの解消にワイヤーブラシをおすすめしない理由。より効果的な方法とは? 関連記事 トイレつまりを針金ハンガーで直す。あまりオススメしない理由
自分で直せない状態または原因不明のまま放置する
便器や排水管の破損による水漏れ、固形物や吸水するものが原因のトイレつまりなど、自分では直せない状態もしくは、原因がわからない状態のまま放置しないようにしましょう。放置した場合、悪化を招くおそれがあります。
固形物などによるトイレつまりに対してラバーカップを使う
固形物やオムツなどを奥へ押し込んでしまうと、便器を取り外さなければならないなど大掛かりな修理が必要になる可能性があります。修理費用も高くつきますし、トイレを使えない時間も長くなってしまいます。そうした原因に対してラバーカップを使うことは控えましょう。
無理に直そうとしたり熱湯を流したりする
さまざまなトイレつまり解消法が紹介されていますが、原因に対して適切な方法を選ばないと、直らないどころか悪化して完全につまってしまうおそれがあります。
一般家庭で発生するトイレつまりのうち、自分で直せるのはトイレットペーパーなどのごく軽い場合です。特に熱湯を流す方法は、陶器製の便器がヒビ割れする原因にもなりますのでやめておきましょう。 関連記事 トイレつまりの14の原因!原因不明の場合の対処法は?
トイレの水位が下がるのを防ぐ方法
トイレットペーパー以外を流さない
もっとも基本となるのが、トイレットペーパーを一度に大量に流さないということです。適量についてはこちらで説明していますので、ぜひこの機会に見直してみましょう。
タンクにペットボトルを入れるなど過剰な節水をしない
節水目的でタンクにペットボトルを入れているご家庭は、できれば取り出すことをおすすめします。過剰な節水により、洗浄水量不足を招くおそれがあるためです。節水する心がけは大切ですが、トイレつまりの修理費用のほうが高くつくかもしれません。過剰な節水は控えましょう。
トイレタンクの中を定期的にチェックする
タンクに水が十分貯まっているか、部品が破損していないかなども、普段からチェックしておくとよいでしょう。不具合に気づければその後の対処も迅速に行えますし、原因も突き止めやすくなります。
長期間留守にするときなどは封水の蒸発を防ぐ工夫をする
家をしばらく留守にすることがわかっている場合は、前もって封水の蒸発を防ぐ工夫をしておきましょう。具体的に、数日程度であればバケツで便器内に水を足しておく、便器をラップなどで密閉するといった方法があります。
数カ月など長くなるときは、市販の「封水蒸発防止剤」を使うといった方法もあるので覚えておきましょう。
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