トイレつまりがスッポンで治らない場合でも「お湯」「洗剤」「針金ハンガー」などを試すのは控えてください。私たち水道修理のプロがスッポンで治らない原因と対処法、次の一手「真空式パイプクリーナー」の使い方、プロに頼むべき撤退ラインを解説します。

この記事の監修
水廻りサポートセンター(株式会社レクト)
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目次
まずは確認!本当に「スッポン」の効果を引き出せていますか?
「スッポンなんて押すだけでしょ?」と思っていませんか?スッポンに失敗する方は選び方や使い方を間違えており、本来の力を発揮できていない可能性があります。まずは基本を見直してみましょう。
形は合っていますか?「和式用」と「洋式用」があります
あまり知られていませんが、和式トイレと洋式トイレでは、使用するスッポンが違います。
- 和式トイレ用:カップの底が平らなお椀型
- 洋式トイレ用:カップの内側に出っ張りがある
洋式トイレ(今の一般家庭のほとんど)に、出っ張りのない和式用を使っても、十分な効果が得られないことがあります。隙間から空気が漏れてしまい、詰まりを吸い出すための「真空状態」が作れないからです。
ネットショップやホームセンターでは、はっきり区別されずに売られていることもあるため、ご自宅のトイレに合った形状のものを使っているか、まず確認してください。
動かし方は合っていますか?「押す」より「引く」が正解
スッポンの正式名称は「ラバーカップ」。これは、トイレに詰まったものを「引き出す」ための道具です。グイグイと、異物を奥へ押し込もうとしていませんか?それは逆効果です。
正しいイメージは「ゆっくり押し付けて真空状態を作り、勢いよく引く(吸い出す)」こと。詰まっている異物や紙を、手前に引っ張り出して崩すのがスッポンの役割なのです。
スッポンを使う前に、これだけは準備しておこう!
スッポンの正しい使い方の前に、トイレのつまりを治す際に用意しておきたいものをご紹介しておきます。
- 便器の水を取り除いたり足したりするためのバケツ
- 水や汚れを拭き取るための雑巾
- 床が汚れないように敷いておく新聞紙
バケツは、便器の水位を調節するために必要となります。雑巾や新聞紙は、聞けば「当たり前」と思うかも知れませんが、慌てていると意外と忘れがちですので、ご注意ください。
固形物を落としていませんか?スマホ・おむつ・おもちゃ…
もし詰まりの原因が「水に溶けない固形物」である場合、スッポンを使うのはすぐに中止してください。
- スマホ、ガラケー
- 子どものおもちゃ
- 紙おむつ、生理用品
- ペット用トイレシート
- ペン、メガネ
- カイロ など
これらは、いくらスッポンで吸ったり押したりしても絶対に溶けませんし、小さくもなりません。むしろ排水管の奥深くへ押し込まれ、便器を取り外さないと取れない状態(重症)になってしまうことも。
ちなみに実際、腰に貼っていた「貼るホッカイロ」がズボンを下げた際に落ち、知らないうちに流してしまったというケースがありました。排水管の内側にくっついていれば水は流れるのですが、何かの拍子で管を塞ぐようにして留まってしまったのでしょうね。
排水管・汚水桝のつまりや勾配不良などは最初からNGです
排水口や排水管よりも更に奥に原因がある場合も、つまりを解消するには便器を外す必要が出てきます。
たとえば、家の外にある「汚水桝(おすいます)」や床下の「排水管」自体が詰まっている場合、いくらスッポンをしても意味がありません。「他の部屋の排水も流れが悪い」「ゴボゴボと異音がする」といった場合は、建物の配管トラブルの可能性があるため、プロに相談し、必要に応じて高圧洗浄などをしてもらいましょう。
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スッポンの効果を最大化する「プロのコツ」を伝授!
形状も合っているし固形物も流していない。それでも治らない…という場合は、スッポンの威力を最大化する「プロのコツ」を試してみてください。
ビニール袋で飛び散りを防ぎ「真空状態」を作る
スッポンを使う際、汚水が飛び散るのが怖くて思い切り力を入れて引けないことがありますよね。そんなときは、大きなゴミ袋を用意してください。
- ゴミ袋の真ん中(底)に、スッポンの柄が通るくらいの穴を開ける
- スッポンの柄をゴミ袋の内側から穴に通す(柄だけ外に出た状態)
- その状態でスッポンを便器に入れ、ゴミ袋で便器を覆うようにセットする
これで、汚水の飛び散りを防ぎながら思い切り引くことができるようになります。
水位の調整が命運を分けることも
便器の中に残っている水の量は、スッポンをトイレの排水口に当てたときに、カップ部分がすっぽり浸るくらいがベストです。なぜかというと、水とカップで真空状態を作り、引き抜く際の圧力で詰まったものを取り出す仕組みだから。
スッポンが便器と密着し、余計な空気が入らないよう水で蓋ができているときこそ、最大限の力を発揮してくれるのです。作業の前に、バケツを使って水位を調節しておいてください。
- 水が多すぎる場合:バケツ等で汲み出し、溢れないように減らす
- 水が少なすぎる場合:バケツで水を足し、カップが隠れるまで水位を上げる
この「水位調整」を怠ると空気ばかり吸ってしまい、詰まりに対して圧力がかかりません。面倒でも必ず行ってください。
「ゆっくり押して、素早く引く」のリズム
スッポンに必要なのは、押す力ではなく引く力。スッポンを便器に押し当てるときに力は必要ありません。
- 余計な空気が入らないよう静かにカップを排水口に密着させる
- 「ゆっくり」と押し込み、カップ内の空気を抜いてへこませる
- 「グッ!!」と、一瞬で力を入れて引き抜く
この「静」と「動」のメリハリが重要です。何十回も適当にペコペコするのではなく、1回ずつの「引く力」に集中して数回試してみてください。
スッポンでダメならこれ一択!「真空式パイプクリーナー」
正しい使い方をしてもダメだった場合、自力で試して効果が期待できる道具は「真空式パイプクリーナー」ただ一択です。
スッポンとは桁違いの「吸引力」
大きな注射器のような見た目をしたポンプ式の道具で、先端にスッポンのようなカップが付いています。スッポンが「ゴムの復元力」を利用するのに対し、こちらは「ポンプの吸引力」を利用するため、スッポンとは桁違いの強力なパワーで詰まりを引き剥がすことができます。
力もそれほど必要ないため、女性やご高齢の方でも扱いやすいのが特徴です。なおスッポンと同じように種類があるので、購入する際はご自宅のトイレに合うものを選びましょう。
真空式パイプクリーナーの正しい使い方
- 養生:便器内の水位を調整する(スッポンと同じ)
- 準備:ハンドルを「押した状態」で、カップを排水口に強く押し当てて密着させる
- 吸引:カップを密着させたまま、ハンドルを「グッ」と強く引く
- 繰り返し:カップを離してハンドルを押し戻し、再度密着させて引く動作を数回繰り返す
「ゴボゴボッ」と音がして水位が下がれば成功です。バケツで少しずつ水を流して確認してください(いきなりレバーを回さないようにしてください)。
ホームセンターで買えるが「今ない」ときは?
真空式パイプクリーナーは、ホームセンターの水道用品売り場で2,000〜3,000円程度で購入できます。通販でも手に入るほか、大きめのドラッグストアやディスカウントショップなどにもあるかもしれません。
しかし「夜中で店が開いていない」「買いに行く時間がない」などの緊急事態であれば、迷わず業者を呼んでください。道具がない状態で無理に粘っても悪化するリスクが高まるだけです。
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注意【プロは推奨しません】よく見かける「NG対処法」
スッポンで治らないとき、焦ってネット検索をするとさまざまな「裏ワザ」が出てくると思います。しかし、プロの視点から言わせていただくと以下の方法は絶対におすすめしません。
お湯・重曹・洗剤など(効果なし)
- 「50度くらいのお湯を流す」
- 「重曹とクエン酸(お酢)を入れる」
- 「食器用洗剤を入れる」
これらは「水流はあるが流れが悪い」程度の軽度な汚れには効くかもしれませんが、スッポンを使うほどの「完全な詰まり」には効果がありません。薬剤やお湯が浸透するまで時間がかかりすぎますし、水で薄まってしまう上に異物までたどり着きません。
しかも「すでに水位が上がっている便器に水分を足す」というのは、汚水を溢れさせるリスクを高めるだけなので、スッポンの代替策としてはおすすめしません。
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針金ハンガー・ワイヤーブラシなど(悪化・故障リスク大)
- 「針金ハンガーを伸ばして突っ込む」
- 「ワイヤーブラシを奥に突っ込む」
これも危険な行為です。トイレの排水路は複雑なS字カーブを描いています。見よう見まねで針金やワイヤーブラシを突っ込んでも、詰まりの箇所までピンポイントに届かせるのは至難の業です。
それに、便器の陶器内部を傷つけて汚れがつきやすくなったり、針金やワイヤーが奥で引っかかって抜けなくなったりすることもあります。
針金やワイヤーが抜けなくなると「便器の取り外し工事」が必要になり、費用も高くなりますので、絶対にやめてください。
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悪化や高額な修理費用を回避!自力解決を諦めるタイミング(撤退ライン)
「業者を呼ぶと高いから、なんとか自分で…」という気持ちは痛いほど分かります。しかし引き際を間違えると、数千円〜数万円で済む修理が数十万円の損害賠償や、リフォーム工事に発展してしまうこともあります。
これ以上は危険!撤退ラインの目安
以下のいずれかに当てはまる場合は即座に作業を中止し、プロに連絡してください。
- 正しい方法でスッポン・真空式パイプクリーナーを数回試したが変わらない
- 固形物(スマホ、おもちゃ、ペン等)を落とした可能性がある
- 便器の下(床との接地面)から水が染み出してきている
- 他の場所も流れが悪い
無理に続けると起きる「最悪の事態」
スッポンや真空式パイプクリーナーで継続的にムリな圧力をかけ続けると、便器と排水管をつなぐパッキンが破損し汚水が床下に漏れ出す(水漏れ)場合があります。
特にマンションやアパートの場合、階下の住人への水漏れ被害に繋がり、高額な損害賠償請求に発展するケースも。「ダメ元でプロに見てもらう」のが結果的にもっとも安く、安全に解決する方法です。
【後払いOK】出張・点検・深夜早朝・キャンセル無料!トイレつまりは「水廻りサポートセンター」へ
「スッポンで治らない…」と諦めかけたそのトイレつまり、私たち「水廻りサポートセンター」にお任せください。
- 明朗会計:トイレのトラブルは税込5,500円〜。必ず作業前にお見積りを提示し、ご納得いただいてから作業します
- スピード対応:お電話一本で最短30分で駆けつけます
- 安心保証:水道局指定業者だからこその技術力と、万が一のための保証も万全です
- 手持ちがなくてもOK:当店なら便利な「NP後払い」がご利用いただけます
自力での解決が難しいと感じたら、無理をせずすぐにご相談ください。プロの専用機材(高圧ポンプやトーラー等)を使えば、あっという間に解決することも珍しくありません。
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