排水口つまりにワイヤーブラシをおすすめしない4つの理由

ワイヤーブラシはパイプクリーナーのひとつで、細長い金属製のワイヤーの先端にブラシが付いた道具です。トイレや台所、浴室などの排水管を洗浄する目的で使われます。つまりの原因や程度によっては効果的な道具ですが、以下のような理由から台所の排水口つまりにはあまりおすすめできません。

手探りでの作業なので難易度が高い

台所の排水管は曲がりくねっていて中が見えません。ワイヤーブラシから伝わる感触だけで作業をすることになるため、難易度が高いでしょう。「異物だと思って一生懸命ガシガシしていたものが、実は排水管の内壁だった」などで、なかなかうまくいかない可能性もあります。

市販ワイヤーは柔らかいため入れづらく、つまり原因を落としにくい

市販のワイヤーは「柔らかすぎる」物が多く、なかなか排水管の中に入っていきません。
また汚れが固まって完全に詰まった場合、柔らかいワイヤーではなかなか汚れの塊を崩す事が出来ません。

抜けなくなって悪化するおそれがある

ワイヤーブラシの先端部分が排水口の曲がりくねった部分に引っ掛かり、抜けない状態になると大変です。つまりを直すどころか、抜けるまでシンクで洗い物もできなくなるおそれがあります。

費用や手間に対して効果が低い

ワイヤーブラシの値段は1,000〜4,000円程度です。探して購入して手作業をするという手間の割に、確実につまりを解消できるわけではなく上述したリスクもあるなど、効果が伴わないことがあります。

【使ってみたい方】ワイヤーブラシはどこで買える？種類や選び方は？

「一度使ってみたい」という方もいるでしょう。ワイヤーブラシでつまりを解消できる可能性はありますので、絶対にダメなわけではありません。どこで買えるのか、種類や選ぶときのポイントは何かなどを解説します。

100均・ホームセンター・通販で買える

ワイヤーブラシは、ホームセンターやネット通販のほか、店舗によっては100均で手に入ることもあります。ただ100均の場合は種類が限られている可能性が高いので、より確実なホームセンターか、ネット通販で購入することをおすすめします。

業務用と一般家庭用がある

ワイヤーブラシには業務用と一般家庭用があります。ワイヤーの強度や長さ・太さ、ブラシの強度などさまざまな点で違いがありますが、ご家庭の台所の排水口でしたら一般家庭用を選びましょう。

価格も大きく異なり、一般家庭用が1,000〜4,000円程度なのに対して業務用は安くても1万円程度、高いもので30万円するものもあります。その分だけ高い効果も期待できますが、何万円もコストをかけるなら業者を呼んだほうが安くて確実です。

選ぶときのポイント

商品によって用途が異なるため、必ず「台所の排水口に入るサイズ」のものを選びましょう。それ以外にも以下の点に着目してください。

ブラシの素材・形状

金属製の硬いブラシ、ナイロン製の柔らかいブラシなどがあります。またブラシ部分がスプリング状（螺旋状）になっているタイプや円錐形のもの、円柱状のものなど形状もさまざまです。台所の排水口でしたら、ナイロン製で円柱状のブラシがよいでしょう。

ワイヤーの太さ・長さ

ワイヤーが細すぎると力が伝わりづらく、太すぎると排水管の奥まで入れにくいなど一長一短があります。太さは1.5cm程度のものが扱いやすいでしょう。また長さは2〜5mなどさまざまです。台所の排水口に使用する場合は3m程度のものがおすすめです。

価格

数百円〜4,000円程度と幅広いですが、試しに使うとしてもある程度の強度などは必要ですので、おおむね2,000円前後のものがよいでしょう。

【使ってみたい方】ワイヤーブラシの正しい使い方と注意点・保管方法

本記事では、一般的なナイロン製で円柱状のブラシが付いたワイヤーブラシの使い方を説明します。ただ商品によっては使い方が異なるため、パッケージに記載された使用方法にも必ず目を通してください。

準備するもの

• ワイヤーブラシ
• ゴム手袋
• ゴミ袋（つまっていたものを入れるため）
• ビニールシート等（養生のため）

ワイヤーブラシは手や指に伝わる感触が大切なので、ゴム手袋は薄手で構いません。また水や汚れが跳ねるのを防ぐため、排水口やシンクのまわりは養生しましょう。

作業の手順

1. 排水口のゴミ受けとワントラップを取り外す
2. ワイヤーブラシを挿入する
3. つまりの原因に当たった感触があったら、手元のハンドルを回す
4. ブラシの先が軽くなったら水を流してみる
5. スムーズに流れていけば成功、流れなければ「3」「4」を繰り返す
6. ブラシをゆっくりと引き抜き、付着した異物などを取り除く

ワントラップとは、排水口のゴミ受けを取り外したときに見える釣鐘状のフタのようなものです。排水管に異物が直接落ちてしまうのを防いだり、悪臭がのぼってくるのを防いだりしています。一般的なワントラップは左に回すと外れます。

異物にぶつかった感触があったら手元のハンドル（レバータイプもあります）を回して、異物を絡み取ったり砕いたりしてつまりを解消します。解消したら、ブラシやワイヤーが引っ掛かったり汚れが飛び散ったりしないよう、ゆっくり引き抜いてください。

入らないときは無理に入れない

ブラシが排水管の奥に入っていかないときは、少し引き上げて角度を変えてみるなどしてください。無理に押し込むと抜けなくなるおそれがあるため注意しましょう。

使用後のお手入れと保管場所も大切

本体には排水管のさまざまな汚れが付着します。そのままにするとカビが生えたり悪臭が発生したりするおそれがあります。浴室でよく洗って風通しのよい場所で乾燥させ、元のパッケージに入れて保管しましょう。

お持ちであれば、ワイヤー部分に防錆剤を塗布しておくのもおすすめです。またナイロン製のブラシは変形や変なクセがつきやすいので、負担がかからない状態で保管することも大切です。

まだある！実は排水口つまりに効果が低い対処法

• お湯（熱湯）とタオル
• 重曹とクエン酸
• 塩素系漂白剤
• ピーピースルーなどの薬品

排水口つまりを解消するための、さまざまな方法が紹介されています。しかし、たとえば上に挙げたような方法は高い効果が期待できないため、おすすめしません。とくにピーピースルーなどは取り扱いに注意が必要な薬品のため、気軽に使用することは控えましょう。

以下の記事では、これらの方法をおすすめしない理由、効果が低い理由などを解説していますので、ぜひ一度ご覧ください。

【おすすめ】台所の排水口つまり解消にはパイプクリーナーを

ご家庭の台所の排水口つまりを解消するなら、お手頃価格で高い効果を発揮するパイプクリーナーが最適です。

パイプユニッシュがおすすめ

数あるパイプクリーナーの中でもおすすめは『パイプユニッシュPRO キッチン用』。文字通りキッチン用に作られた商品で、油汚れを溶かす成分である水酸化ナトリウムが多く含まれています。粘度も高いので排水管の汚れに長く密着して溶かしてくれます。

塩素系のツンとしたニオイが苦手な方は、酵素の力で汚れを分解する『パイプユニッシュ ブリーチフリー』がよいでしょう。ただし塩素系に比べると洗浄力は劣ります。ひと晩放置するなど時間もかかるため、急ぎなら『パイプユニッシュ PROキッチン用』にしましょう。

パイプユニッシュの正しい使い方・注意点

1. ゴミ受けとワントラップを外す
2. パイプユニッシュを注いで15〜30分待つ
3. バケツ2杯分くらいの水で十分に流す

パイプユニッシュの適量は、つまり解消なら20押し程度が目安です（パッケージにも記載があります）。なお長時間放置し過ぎると、溶けた汚れが排水管の下の方で固まってつまりが悪化することがあります。15〜30分ほどで流しましょう。解消しないときは何度か繰り返すと効果的です。

またパイプユニッシュは塩素系（アルカリ性）洗剤なので、酸性の洗剤や酢、アルコール、クエン酸などとは絶対に混ざらないようにしてください。人体に有害な塩素ガスが発生するおそれがあります。

パイプユニッシュの使い方・注意点はこちらの記事でも解説しています。

パイプユニッシュで解消しないときの対処法

油汚れが蓄積したことによる排水口つまりなら、パイプユニッシュで解消できるケースがほとんどです。それでも解消しないときは、よほど重度か別の原因が考えられます。以下の対処法を試してみてください。

ラバーカップ（すっぽん）を使う

ラバーカップはトイレつまりを解消する道具ですが、台所やお風呂などの排水口に使用できる商品も販売されています。原理はラバーカップと同じですが、より強力な吸引力を持つ真空式パイプクリーナーという道具もあります。

ラバーカップや真空式パイプクリーナーの効果・使い方・注意点については、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひご覧ください。

プロに依頼する

パイプユニッシュを何度か試しても解消しない、流れが悪い状態が変わらない場合は、重度のつまりが発生している可能性が高いでしょう。マンションなど集合住宅では、ほかのご家庭やマンション自体の排水管・排水桝（汚水桝）がつまっていることも考えられます。

放置しても直らない可能性が高いため、プロを呼んで排水管を分解して洗浄したり、高圧洗浄で一気につまりを押し流したりしてもらうことをおすすめします。

台所の排水口つまりを予防するための対策

• 油や、油を含む汁・食べ残しなどを極力流さない
• 生ゴミや食品のカスなど大きなものを流さない
• ゴミ受けネットを取り付ける
• パイプユニッシュで定期的に掃除する

一般的な台所は排水口にワントラップが設けられているため、大きな異物などが直接入り込むことはあまりありません。つまりの原因の多くは油が固着・堆積したことなどが原因のため、油をできるだけ流さないように心がけましょう。
併せて『パイプユニッシュ激泡パウダー』などで定期的に洗浄することで、つまりが発生するリスクを抑えましょう。

頻繁に繰り返す・解消しない台所の排水口つまりは業者に点検を依頼してください！

台所の排水管はS字などに曲がっているため、中で何がつまっているのか確認できません。パイプユニッシュで解消しなければ、油汚れではないことも考えられるため、そうなると何が原因か見当もつかなくなってしまう可能性もあります。原因が分からなければ適切に対処するのも難しく、ご自身で排水管を分解して点検するにも大掛かりな作業となるため大変です。

台所の排水口が頻繁につまる、ずっと流れが悪い状態が続いているなど、少しでも気になるところがある場合はぜひ一度、業者を呼んで排水管の状態を点検してもらうことをおすすめします！

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