パイプユニッシュでつまりが取れない原因

固形物によるつまり

パイプユニッシュで溶かせる汚れは髪の毛や油汚れ、ヌメリなどです。固形物やトイレットペーパーなどは溶かせません。固形物が原因の場合は、悪化するのを防ぐため速やかに専門業者を呼ぶことをおすすめします。

成分が届いていない

汚れが排水管の奥の方にある、排水管が複雑に曲がっているなどの理由で、パイプユニッシュの成分が汚れまで届いていない可能性があります。自分で解消するのも難しいため、専門業者に排水管の洗浄を依頼しましょう。

汚れがひどい

単純に汚れがひどく、一度で落としきれていないことも考えられます。何度か試してみて解消しない場合は、専門業者を呼んで点検・洗浄を依頼しましょう。

パイプユニッシュでつまりが取れないときの対処方法

パイプユニッシュを正しく使えていない

パイプユニッシュを使ってもつまりが取れない場合、まずは使い方を誤っていないか確認しましょう。パイプユニッシュの誤った使い方としては

• 固形物に対して使用している
• トイレつまりに使用している
• すぐに流水ですすいでしまう
• ごく少量しか使用していない
• 水が多い場所に注いだため薄まっている

などが挙げられます。お伝えしたように固形物やトイレットペーパーなどには効果がありません。また注いだあとは所定の時間放置する必要があり、使用量も用途によって目盛り2〜5つ分などと決まっています。

正しい使い方は「パイプユニッシュの使い方・つまり解消方法」で解説しているので、そちらをご確認ください。

また、排水管が完全につまっていて水が溢れている場合も、成分が薄まって効果が出ないことがあります。その際は、次のような方法で先につまりを解消し、そのあとにパイプユニッシュを使って残った汚れを洗い流すのがおすすめです。

ラバーカップ（スッポン）

ラバーカップは先端にゴム製のカップがついている道具で、「スッポン」とも呼ばれています。主にトイレつまりを解消するための道具ですが、キッチンや洗面所、お風呂の排水口に使用できるタイプもあります。

使い方

1. オーバーフロー穴をラップなどで密閉する
2. ラバーカップの先端が隠れるくらいまで水を溜める
3. 排水口にカップの先端を押しつける
4. 力を入れて数センチほどグッと引く
5. つまりが解消するまで「3」「4」を繰り返す
6. ゴボゴボなどと音がして、問題なく水が流れれば完了

真空式パイプクリーナー

真空式パイプクリーナーは、ラバーカップよりも強力な吸引力があります。使い方はラバーカップとほぼ同じです。こちらもトイレ用のほか、キッチンや洗面所、お風呂の排水口用があります。

使い方

1. オーバーフロー穴をラップなどで密閉する
2. 真空式パイプクリーナーの先端が隠れるくらいまで水を溜める
3. 排水口にカップの先端を押しつける
4. 力を入れて数センチほどグッと引く
5. つまりが解消するまで「3」「4」を繰り返す
6. ゴボゴボなどと音がして、問題なく水が流れれば完了

排水管の分解洗浄

排水管の奥の方でつまっていて自分では直せない、原因がわからない、パイプユニッシュやラバーカップでは解消しないという場合、排水管を分解して洗浄するしかありません。自分ではできないため、専門業者を呼びましょう。

排水管のつまり取りを業者に頼んだときの料金

場所や状態によってケースバイケース

つまりの具合や場所などによって変わってきます。キッチンの排水口などで軽いつまりなら、10,000円程度で済むこともあります。しかし排水管を分解したり、専用の薬剤や高圧洗浄などを使用したりする必要がある場合、20,000〜30,000円など高額になることもあります。

現場を見ての判断になるため、まずは業者を呼んで点検を依頼し、見積もりを出してもらいましょう。

パイプユニッシュとは

排水管のつまり解消成分が入った洗浄剤

パイプユニッシュは、SCジョンソンが手掛けるパイプ洗浄剤です。排水管のつまりの原因となる髪の毛や油汚れ、排水口などのヌメリを溶かす成分が含まれています。

強力な洗浄力を持つアルカリ性洗剤

一部非塩素系の商品もありますが、一般的なパイプユニッシュはアルカリ性（塩素系）の、洗浄力が非常に強い洗剤です。皮膚に直接触れたり、目・鼻・口などの粘膜に触れたりすると強い刺激があります。特に目は失明のおそれもあるため、取り扱う際は十分注意が必要です。

固形物などは溶かせない

パイプユニッシュの効果があるのは、髪の毛や油汚れ、ヘドロのようなヌメリなどです。それ以外の固形物、トイレットペーパー、排泄物などには効果が期待できません。

パイプユニッシュの種類と選び方

現行品は5種類

• パイプユニッシュ
• パイプユニッシュ PRO
• パイプユニッシュ PRO キッチン用
• パイプユニッシュ ブリーチフリー
• パイプユニッシュ 激泡パウダー

現在販売されているパイプユニッシュはこの5種類です。このうち、ブリーチフリーと書かれた商品は非塩素系で、酵素の力を利用してヌメリやニオイを取り除きます。なおパイプユニッシュとパイプユニッシュ PROは、一度に使用する量が異なるだけでPROのほうがより洗浄力が強力というわけではありません。

選び方が重要

パイプユニッシュで溶かせる汚れと、溶かせない汚れがあります。排水管のつまり解消に使用する場合は、まずつまりの原因を特定することが大切です。原因がわかったら、パイプユニッシュで溶かせるかどうかを確認し、使用場所に応じて商品を選びましょう。

パイプユニッシュの使い方・つまり解消方法

用意するもの

• 炊事用ゴム手袋
• 目の保護具（メガネやゴーグルなどがあれば）
• パイプユニッシュ

皮膚や粘膜を保護するため、炊事用などやや厚手のゴム手袋と、可能であればメガネやゴーグルなどを装着しましょう。

つまりを解消する手順

1. ゴム手袋と目の保護具を着用する
2. 排水口にパイプユニッシュを流し込む
3. 約15〜30分放置する
4. 流水でたっぷりすすいで終了

パイプユニッシュの量は、つまり解消が目的の場合、パッケージ側面に刻まれた目盛り4〜5つ分です。軽いヌメリの除去程度であれば2〜3目盛りが目安です。一度でスッキリ解消しないときは、2〜3回繰り返すのがおすすめです。

また詳しくは次の項目で解説していますが、使用方法を誤ると有害なガスが発生するなどして大変危険です。念のため窓や扉を開けるとともに、換気扇を回しながら作業するようにしてください。

パイプユニッシュの使用頻度と5つの注意点

【使用頻度】場所によってやや異なる

• キッチン：週1回程度
• お風呂：月1〜2回程度
• 洗面所：2週に1回程度
• 洗濯機周り：3カ月に1回程度

各場所を何人で、どれくらいの頻度で使用するか、どれくらいの排水が出るかなどさまざまな条件で変わりますが、目安としてこれくらいの頻度で使うことにより、排水管がつまってしまうリスクを減らせます。

【注意点1】酸性洗剤とは絶対に混ぜない

パイプユニッシュのほとんどはアルカリ性（塩素系）です。酸性洗剤や酸性の性質を持つ物質と混ざることにより、人体に有害なガスが発生するおそれがあります。

具体的には、酸性洗剤のほか食酢やアルコール、アンモニアも危険です。絶対に混ぜないように注意するとともに、窓を開けて換気扇を回しながら作業するなどしましょう。

なお同時に使用しなくても、酸性の成分が残っているだけで反応することがあります。それぞれを直前・直後に使用することは避けましょう。

【注意点2】皮膚・粘膜に直接つけない

皮膚に直接つけると肌荒れなどのトラブルを招くおそれがあるため、ゴム手袋を着用してから使用しましょう。万が一付着したときは、ヌメリが取れるまで流水で十分すすぎ、異常が残るときは皮膚科を受診してください。

また目に入ったときは、直ちに眼科を受診しましょう。そのまま放置すると失明する場合があります。

【注意点3】熱湯は使わない

熱湯を使用すると、塩ビ製の排水管が変形するおそれがあります。また急激な成分の変化によって、人体に有害な塩素系ガスが発生する場合があります。必ず水を使うようにしましょう。

【注意点4】トイレつまりには使用しない

パイプユニッシュには、トイレつまりを解消する効果が期待できません。トイレ用の酸性洗剤と混ざった場合、人体に有害なガスが発生するおそれもあるため、トイレには使用しないようにしましょう。

トイレつまりの解消方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。

【注意点5】必要以上に長時間放置しない

長時間放置しても効果はあまり変わりません。むしろ、せっかく溶けて剥がれた汚れが排水管の下へ流れていき、そのまま固まって新たなつまりを生むおそれがあります。パッケージに書かれている時間（約15〜30分程度）を守るようにしましょう。

排水管のつまりの原因と予防方法

汚れ

• キッチンの排水口：油汚れや食べかす
• お風呂・洗面所の排水口：髪の毛や石鹸カス
• 洗濯機周りの排水口：繊維くず、ゴミなど

場所により、排水口にはこのような汚れが溜まっていきます。放置すると蓄積され、やがてつまりが発生します。油はとくに、冷えて固着すると頑固にこびりついてしまうため、極力流さないようにすることが大切です。

予防方法

• 定期的にパイプユニッシュで洗浄する
• 排水口に使い捨てフィルターをつける
• 使用後に流水でよくすすぐ

こまめな掃除と定期的な洗浄、ごみ取りフィルターの取りつけが効果的です。洗濯機の排水口はなかなか掃除がしづらいですが、3カ月〜半年に1回程度は入念なお手入れをしておくことをおすすめします。

異物

• キッチンの排水口：洗剤のキャップ、大きな食べ残し、箸置き
• お風呂・洗面所の排水口：シャンプーのキャップ、子どものおもちゃ
• 洗濯機周りの排水口：洗剤のキャップ（掃除をしたときなど）

パイプユニッシュで溶かせないだけでなく、ラバーカップや真空式パイプクリーナーを使っても取り除けないような異物が原因でつまってしまうこともあります。

予防方法

排水口に使い捨てフィルターをつけることで、排水口の中に入り込んでしまうのを防げる可能性が高くなります。また排水口の近くではキャップを開けない、子どものおもちゃなどは排水口よりも大きなものを選ぶといった工夫も大切です。

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