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キッチンの排水口やシンク下などから、下水のような悪臭がのぼってくる場合に考えられる原因と今すぐにできる対処方法をお伝えします。排水管の変形や、人体に有害なガスの発生といった危険がある誤った方法も解説しているので、あわせて参考にしてください。

水廻りサポートセンター(株式会社レクト)

この記事の監修

水廻りサポートセンター(株式会社レクト)

愛知・岐阜・三重・静岡の中部地方の水道トラブル修理・交換専門業者です。設立15年、累計施工10万件以上の実績と経験から水回りのお役立ち情報を発信しています。サービスの紹介はこちら

キッチンの排水口と排水管の構造

キッチンの排水口は、下水からの悪臭や害虫が侵入しないように工夫されています。大まかにですが、一般的にシンク側から下(地面のほう)に向かって以下のような構造をしています。

  1. 排水口の蓋・ごみ受け
  2. ワントラップ(※1)
  3. 排水ホース・排水管(排水トラップ)
  4. 排水桝(※2)

※1:ごみ受けの奥にある釣鐘状のパーツ
※2:ご家庭の汚水や雨水が流れる排水管に取り付けられた、点検・清掃のための構造物

皆さんが普段目にしているのは1・2で、シンク下の扉などを開けたときに3が見えるご家庭もあります。排水桝は敷地内の地面に埋め込まれていることが多く、いわば小さなマンホールのようなもの。排水桝で汚水と泥などの固形物が分離され汚水のみが流れていきます。キッチンの排水口やシンク下から悪臭がする場合、上記1〜4いずれかに問題がある可能性が高いと考えられます。

キッチンの排水口やシンク下が臭くなる原因・対処法

キッチンの排水口やシンク下から悪臭がのぼってくるときは、以下のような原因が考えられます。対処法とあわせて説明します。

ごみ受けや蓋に汚れが溜まりぬめりがある

シンクにある排水口のごみ受けや蓋のお手入れが足りないと、汚れが蓄積して嫌なニオイが発生したり、雑菌が繁殖して悪臭を発生させたりすることがあります。

対処法|ハイターや重曹で掃除をする

単純に汚れやぬめりなどが原因であれば、食器用中性洗剤とスポンジを使ってお手入れをし、蓋とごみ受けを水で希釈したハイターにつけ置きしてから洗い流せば解消できるでしょう。汚れが酷いときは、食器用中性洗剤ではなく重曹を使うと効果的です。粉末の重曹をまんべんなく振りかけたら、使い古しの歯ブラシなどでこすり洗いをしてすすぐだけです。

重曹とクエン酸を混ぜても効果はありません

重曹とクエン酸を混ぜて水やぬるま湯を加えると炭酸ガスが発生します。泡が油汚れを落とすといった情報もありますが排水口の悪臭を消す効果はほとんどありません。弱アルカリ性の重曹と酸性のクエン酸を混ぜると中和され、お互いに長所を打ち消し合います。また発生する炭酸ガスは非常に細かく弱いため、油汚れを落とすほど強力な洗浄力はありません。油汚れやぬめり(酸性の汚れ)には弱アルカリ性の重曹のみを使いましょう。

ワントラップが外れている

排水口の掃除をした際などにごみ受けの下のワントラップに触れたり取り外したりした後は、正しく取り付けないと隙間から悪臭がのぼってくることがあります。

対処法|正しく取り付け直す

一般的なワントラップは左に回すと外れます。取り付ける際は右に回せばはまります。カチッと音が鳴るまで(それ以上回らなくなるまで)しっかり取り付け直してください。

封水が減っている・乾いている

ワントラップにより排水管とシンクの間に封水と呼ばれる水が溜まることで下水からの悪臭や害虫の侵入を防いでいるのですが、蒸発などの原因で封水が減ったり乾いたりすると、排水口から臭いニオイが漂うことがあります。

対処法|水を流して封水を溜める

排水口に水を流せば封水が溜まります。特に異常がなければそれだけで解消するはずですが、頻繁に悪臭が発生する場合は封水が漏れている(排水管に亀裂などが入っている)可能性や、どこかでつまりが発生し誘引現象が起こっている可能性なども考えられます。繰り返すときは業者を呼んで点検を依頼しましょう。

排水ホースや排水管に隙間がある(シンク下が臭い)

排水ホースや排水管などに隙間・亀裂・外れなどの不具合があると、シンク下が臭くなることがあります。扉を開けた際に下水のニオイが充満しているといった場合は、排水ホースや排水管を確認しましょう。

対処法|業者に修理を依頼する

変形や劣化、衝撃などによる隙間・亀裂・外れなどが見られる場合は業者を呼んでください。補修用パテなどで一時的に対処する方法もありますが、根本的な解決にはならないため再発することもあります。精密で正確な作業が求められるため業者を呼びましょう。

防臭キャップ(パテ)に隙間がある(シンク下が臭い)

排水管とシンク下の床の部分の隙間を防臭キャップやパテで埋めているご家庭もあります。その防臭キャップやパテが劣化して隙間・亀裂などができると、下水の悪臭がのぼってくることがあります。

対処法|業者に修理を依頼する

ホームセンターで防臭キャップやパテを購入しご自身で修理することもできますが、取り付けが甘いと悪臭を防げなかったり、見た目がキレイに仕上がらなかったりして二度手間となることもあります。他のパーツの点検も兼ねて、業者を呼ぶことをおすすめします。

排水桝に汚れが溜まっている

排水桝にはご家庭で出る油汚れのほか、雨水に紛れた泥や木の枝などさまざまなものが溜まっていきます。汚れがいっぱいになりうまく排水できなくなると、汚水が逆流してしまうことも。上述したいずれの原因にも心当たりがない場合、排水桝に汚れが溜まっている可能性があります。

対処法|業者に点検・洗浄を依頼する

まずは業者を呼んで、排水桝がどのような状態か点検してもらいましょう。必要に応じて洗浄を依頼してください。一般的に、排水桝の洗浄にはワイヤー式の排水管洗浄機などを使用するため、皆さんご自身で洗浄することは難しいと考えてください。

他の部屋でつまりが発生している(マンション等)

マンションなど集合住宅にお住まいで、上述したいずれの原因にも心当たりがない場合、他の部屋でつまりが発生しているかもしれません。集合住宅の排水管はつながっていますので、行き場のなくなった悪臭がシンク下の排水管と床のつなぎ目・お風呂の排水口・トイレなどから侵入してくることがあります。

対処法|業者に点検を依頼する

他の部屋で発生しているつまりについては、こちら側で解決できません。ただ原因が本当に他の部屋なのかどうか判断するためにも、まずは業者を呼んで点検を依頼しましょう。その上で、適切な対処方法を教えてもらってください。

危険!誤った対処方法にご注意!

キッチンの排水口やシンク下が臭いときに誤った対処法をとってしまうと、状況が悪化したり場合によっては人体に有害なガスが発生したりして大変危険です。とくに次のようなことは絶対に避けてください。

熱湯は絶対に流さない

排水管の多くは塩ビ製(プラスチック製)です。耐久性は高いものの耐熱性は低く、60℃を超えたあたりから軟化し変形してしまうおそれがあります。一度変形した排水管は戻りませんので、丸ごと交換など修理費用が高くついてしまうことになります。

お湯のほうが汚れが落ちやすいこともありますが、熱いお湯で油汚れを一気に溶かそうとした場合などは特に、塩ビ管の変形リスクがあるため控えてください。お湯を流す場合は40〜50℃程度のものがよいでしょう。

塩ビ管の変形リスクや熱湯を流す危険性などは、以下の記事でも詳しく解説しています。

酸性洗剤と塩素系漂白剤は絶対に混ぜない

酸性洗剤と塩素系漂白剤(アルカリ性洗剤)が混ざると塩素ガスが発生します。人体に有害な大変危険なガスなので、絶対に混ぜないでください。酸性洗剤以外に、クエン酸や酢、アルコールなどもNGです。直前・直後に使った場合なども、成分が残っていると反応するおそれがありますので注意しましょう。

キッチンの排水口やシンク下のニオイ対策・予防方法

キッチンまわりのニオイ対策・予防方法をまとめました。排水桝の汚れや他の部屋で起こった排水管のつまりなどは防げませんが、少なくとも自宅で発生する排水口やシンク下のニオイは防げます。

ごみ受けや蓋はこまめにお手入れをする

もっとも基本的なところとして、排水口のごみ受け、蓋などはこまめにお手入れをしましょう。普段は食器用中性洗剤で汚れを落とし、週1回を目安にハイターまたは重曹などを使って除菌することをおすすめします。

またごみ受けにネットを取り付けているご家庭は、少なくとも週1回、できれば可燃ごみの日に合わせて週2回ネットを交換しましょう。

パイプユニッシュで定期的にお手入れをする

キッチンの油汚れによるつまり予防に効果的なのが『パイプユニッシュPRO キッチン用』です。週1回程度、排水口のふちに沿うように回しながら注ぎ、15〜30分ほど待ってから十分な水ですすいでください。塩素系のニオイが苦手な方は『パイプユニッシュ ブリーチフリー(非塩素系)』がおすすめです。

また排水管の奥を洗浄したいときは、粉末タイプの『パイプユニッシュ 激泡パウダー』を使用すると良いでしょう。

パイプユニッシュの使い方については、こちらの記事でも解説しています。

油はできるだけ流さない・ぬるめのお湯で流す

油を流すと排水管のなかで冷えて固まり、汚れも絡んで悪臭の元になることがあります。それ以前に、熱い油を流すと塩ビ管が変形するおそれもあるため、油は極力流さないようにしましょう。洗い物などでどうしても流れてしまうときは、ぬるめのお湯といっしょに流すことをおすすめします。

ごみ受けに丸めたアルミホイルを入れておく

アルミホイルが水に触れると、アルミニウムイオンが発生します。アルミニウムイオンには抗菌作用があるため、ごみ受けに入れていくことで雑菌の繁殖による悪臭が軽減されるというわけです。劇的な効果は期待できませんが、お手入れをしたついでに入れておくといった対策もおすすめです。

長期間留守にするときは排水口をラップで覆う

旅行などで長期間家を空けるときは、封水が蒸発して下水の臭いニオイがのぼってくることがあります。排水口をラップで覆っておくと封水の蒸発を防ぐことができます。仮に封水が減っても、悪臭をシャットダウンできるので帰宅時に臭いニオイが充満していた、ということにはならないでしょう。

ニオイが取れない、すぐに臭くなるときは業者に依頼してください!

キッチンの排水口やシンク下の悪臭は、部屋中に充満することもあって大変不快なだけでなく、排水管の変形やつまりといったトラブルが潜んでいることも考えられます。対策をしてもニオイが取れない、一時的に解消するけどすぐに再発するといった場合は、一度業者を呼んで対応してもらうことをおすすめします。

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