キッチンの蛇口からポタポタと水漏れする場合、パッキンやケレップの劣化、カートリッジの劣化などさまざまな原因が考えられます。自分で直す方法と業者を呼んだほうがよいケースを解説します。修理費用の目安や蛇口交換のタイミングとあわせてお伝えします。
この記事の監修
水廻りサポートセンター（株式会社レクト）
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目次
【単水栓・2ハンドル水栓】からポタポタと水漏れする原因
ハンドルを回すタイプの蛇口で水漏れが起こった場合に考えられる原因は以下のとおりです。水漏れしている場所によって原因が異なる場合があります。
ナットやネジの経年劣化・緩み
各パーツの接続部分からの水漏れだったときは、ナットやネジの劣化・緩みが考えられます。接続部分が錆びついているときなどは経年劣化の疑いがありますが、単純に何らかの原因でナットやネジが緩んでいるだけかもしれません。
パッキン、ケレップ（コマパッキン）の経年劣化
- ハンドルの根元から水漏れ
- 吐水口から水漏れ
- 吐水パイプの根元から水漏れ
- 偏心管（壁からハンドル部分に伸びている管）とハンドルの付け根から水漏れ
これらは主にパッキンの劣化が原因と考えてよいでしょう。パッキンと一緒に、ワッシャーやOリングなど必要なパーツを交換すれば解消するはずです。吐水口からの水漏れはケレップ（コマパッキン）の劣化が原因と考えられます。ケレップに付いているパッキンのみを交換すれば解消することもあります。
シールテープの経年劣化
偏心管と壁の金具の接続部分から水漏れしている場合は、偏心管のネジ部分に巻かれたシールテープが劣化している可能性があります。
【シングルレバー混合水栓】からポタポタと水漏れする原因
続いて、ハンドルではなくレバータイプの水栓でポタポタ水漏れする原因を挙げていきます。
カートリッジの経年劣化・故障
- 蛇口の付け根からの水漏れ
- レバーハンドル付近からの水漏れ
- 吐水口からの水漏れ
これらは、水温調整をするためのカートリッジが経年劣化して変形または破損したことなどが原因と考えられます。カートリッジは水栓の内部に取り付けられています。なお、シャワータイプのシングルレバー混合水栓の場合は、シャワーホースが亀裂・破損していることも考えられます。
水栓自体の不具合・故障
あまりないトラブルですが、カートリッジやシャワーホースに異常が見られない場合は、水栓本体がどこかで不具合を起こしていたり、破損していたりする可能性も考えられます。
蛇口の水漏れの直し方は？自分でできる修理と注意点
キッチンの蛇口からの水漏れを自分で修理する流れを説明します。ただし、少しでも難しいと感じたり不安に感じたりしたときは、無理をせず水道修理業者を呼んでください。
ナットやネジの締め直し
モンキーレンチやドライバーなどを用意して、蛇口まわりのナットやネジを締め直しましょう。締め直しても水漏れが止まらないときはパッキンなどが原因と考えられます。
パッキンやケレップ（コマパッキン）の交換
各パーツの接続部分にあるパッキンおよび、ハンドルタイプの水栓に取り付けられているケレップの交換方法を紹介します。なお部品は元通りに取り付ける必要があるため、形が分からなくならないよう取り外す前に画像に残しておくのがおすすめです。
パッキンの交換手順
- 水道の元栓を閉める
- パッキンを交換する部位のナットを緩める
- 部品とパッキン（ワッシャー、Oリング）を取り外す
- 新しいパッキン（ワッシャー、Oリング）を取り付ける
- ナットを締めて水道の元栓を開き、水を流して確認する
パッキンだけでなくワッシャーやOリング、そのほかの部品も劣化していれば、一緒にホームセンターに持っていき、店員に同じものを探してもらうとスムーズです。
ケレップ（コマパッキン）の交換手順
- 水道の元栓を閉める
- ハンドルを固定しているビスを緩めてハンドルを取り外す
- ナットを緩めてハンドルを取り外す
- 水栓の内部にあるケレップをピンセットなどで取り出す
- 新しいケレップに交換して、逆の手順でハンドルを取り付ける
- 水道の元栓を開き、水を流して確認する
ナットを締める際、強く締めすぎると今度はハンドルが固くなるため注意してください。ケレップも同様に、ホームセンターに持っていき店員に探してもらうと早いでしょう。
シールテープの巻き直し（ハードル高いです）
自分でできる修理として紹介してますが、シールテープの巻き直しは少しハードルが高い作業です。経験がない方、シールテープをきれいに巻く自信がない方、蛇口を水平に取り付ける自信がない方などは無理をせず、最初から水道修理業者を呼んでください。
- 水道の元栓を閉める
- ナットを緩めて偏心管を取り外す
- 給水管（壁側）のごみ・水垢などの汚れをきれいに取り除く
- 偏心管のネジ山に巻かれている古いシールテープを剥がす
- 偏心管のネジ山をきれいに掃除する
- 偏心管の先端から2つ目のネジ山から時計回りにシールテームを巻き始める
- 8〜13周（※）ほど巻いたら指先などでしっかり密着させる
- 偏心管を給水管に取り付け、パッキンを入れたら蛇口を水平になるように取り付ける
- 水道の元栓を開き、水を流して確認する
※給水管の穴よりも太く巻いてしまうと入りません。8〜13周としましたが、様子を見ながら調整してください。
【注意】止水栓を回すと水漏れが悪化することがあります
キッチンの蛇口で水漏れを発見したらすぐに止めることが大切ですが、急いで止水栓を回すのも危険なことがあります。水漏れを止める有効な手段ではありますが、「何年も回していない止水栓」は注意しましょう。突然回すと破損するなどして、水漏れがひどくなることがあるためです。
放置はせず元栓を閉め修理、または業者を呼びましょう
止水栓がスムーズに回らないときは、水道の元栓を閉めましょう。
水道の元栓は、戸建てにお住まいの方であれば敷地内の地面にある水道メーターボックスの中に、集合住宅にお住まいの方であれば玄関近くの鉄扉の中にあるのが一般的です。元栓は右に回すと閉まります（ほかのご家庭の元栓を閉めないようにご注意ください）。
水漏れを放置してしまうと水道代がかかってしまうのでご注意ください。
水道料金はトータルの使用量によって1立米あたりの単価が変動するため、ポタポタ程度でも数百円になるケースがあります。
水漏れは放置していても直ることはありません。早急に修理することをお勧めします。
※参考：上下水道料金のしくみ・計算方法 _ 名古屋市上下水道局
業者を呼ぶべきケースと修理費用の目安
最初から業者を呼んだほうがよいケースもあります。修理を依頼した場合の費用の目安とあわせて説明します。
カートリッジ交換や水栓自体の修理は業者に依頼
レバーハンドル混合水栓のカートリッジは、一度レバーハンドルを分解する必要があります。シールテープをスムーズに交換できる方であればカートリッジも交換できる可能性がありますが、そもそも滅多なことではカートリッジを交換することがありませんので、難易度は高いでしょう。
「無理に取り外して元に戻せなくなった」「水漏れが悪化した」などという場合、余分な修理費用がかかってしまう可能性があります。メーカーの保証が受けられなくなることも考えられるため、カートリッジや水栓自体の不具合は水道修理業者に依頼してください。
そのほか、少しでも作業に不安があるときは業者を
自分でできるとはいえ、パッキンやケレップの交換も簡単ではありません。適合するパーツを購入し、正しく取り付ける必要があるため、慣れていない方にはハードルが高いでしょう。
シールテープの巻き直しとあわせて、作業に少しでも不安がある方は最初から水道修理業者に修理を依頼するようにしてください。
修理費用の目安は10,000〜15,000円程度から
水道修理業者に依頼した場合の修理費用は、水漏れの原因や程度、交換が必要な部品の有無・種類などによって大きく変わります。蛇口からの水漏れでもごく軽度であれば修理費用は10,000〜15,000円程度に収まることもありますが、シングルレバー混合水栓などを新品に交換する場合は、商品代と工事費込みで25,000〜30,000円程度が目安となります。まずは現地調査と見積もりを依頼してください。
当店は相談・出張・見積はもちろん、深夜早朝割増やキャンセルまで一切0円です。受付は24時間365日、最短30分で駆けつけます。どうぞお気軽にご連絡ください！
10年以上使っている蛇口から水漏れした場合は交換も検討しましょう
蛇口からポタポタと水漏れしている場合、原因の多くはナットの緩み、もしくはパッキンなどパーツの劣化です。そのため、基本的にはナットを締め直したり劣化したパーツを交換したりすれば改善するでしょう。
しかし、パッキンなどのパーツが劣化するほど長くお使いの蛇口は、別の部位も劣化している可能性があります。頻発する場合は水栓自体の劣化も考えられるため、交換を検討することをおすすめします。
なお、水栓金具の補修用性能部品の最低保有期間は、一般的に生産終了後10年間とされています。10年以上お使いの水栓は、金具がなく修理できない可能性があります。代替品でカバーできる可能性もありますが、今後も安心してお使いいただくためにも交換をおすすめします。
キッチン蛇口の水漏れはポタポタでも放置せず、全体の点検を兼ねて業者を呼んでください！
キッチンの蛇口からの水漏れは、たとえ「ポタポタ」という軽いものだったとしても放置しないようにしましょう。水道代がかさんでしまうのも理由ですが、早急に交換が必要なパーツが原因になっているかもしれないためです。
床や階下への浸水被害などに発展するおそれもあるため、仮にパッキンなどご自身で修理できるケースであっても、全体的な点検を兼ねて一度、水道修理業者を呼ぶことをおすすめします。
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